26 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:18:43 ID:Rz6tlRiPyo
では投稿に入ります!
ちなみに遅れた理由は、決してヒガコに行ってたとかごちうさを見ていたとかきらファン配信を見ていたとか別のコンテンツの生誕祭バーチャルライブに参加していたからとかではありませんよ!()
第3話 もしかしてこれって…夢?
前回 ↓
引用元:http://kirarabbs.com/index.cgi?read=2673&ukey=0
27 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:20:13 ID:Rz6tlRiPyo
「くー!(ここはどこだ?)」
「くーくー!(わかんない!)」
「くー…(帰れるのかなぁ…)」
クロモンがくーくー騒ぐ中、途方に暮れた黒い影が一つ。
「…さて、と。これはどうしたものかな。」
「やっぱりクロモンと同族なんじゃねぇの?」
「いや、まぁそれも問題ではあるんだけどね。」
「分かってるよ。今度はどこに飛ばされたのかねぇ…」
目が覚めると、クロとセンは見たことのない場所に立っていた。
「さて、どうしようか。きっと帰らないときらら達が心配するだろうし…」
「もー、クロミちゃんたち〜!待ちなさいよ〜!」
「くー…(変な名前つけられる前に名前教えたのが間違いだったわ…)」
「ちょっ…なんでアタイまで巻き込まれてるのさっ!」
「くー…(がんばれー)」
「くー…(負けないでー)」
「くー!(応援だけじゃなくて手伝いなさーい!)」
クロモンとマスコットキャラを追い回す照の姿。
「うん、夢でも見ているんだろう。」
「あー…そうかもな…」
結論は一人と一匹で完全に合致した。
28 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:21:40 ID:Rz6tlRiPyo
* * *
「…ねぇ、すごみちゃん?」
「はいっす!」
「なんで…人間の姿になってるの?」
「わからないっす!」
「私はこのままでもいいですけど…」
花名が困惑し、元気に返事をするすごみの間でクレアはご満悦そうな声を上げた。
「でも本当にわからないっす。元に戻ろうと思っても戻れなくて…まぁ普段見てる夢ではいつも人間の姿なんすけどね!」
「ゆ、夢じゃないよねこれ!?」
「夢の可能性はある。」
「ひゃ、コルクちゃん!」
近くの茂みからコルクが出てきた。
「コルクちゃん、いきなり抱きつかないでください!」
「む、残念。」
「…コルクさん?」
「わかってる。ごめん。」
「そう言いながらもふもふしないでくださいー!」
ナチュラルにクレアのもふもふ作業に戻るコルク。諦めていないのか遊んでいるだけなのか、表情からは読み取れない。
「それで…夢かもしれないってどういうことっすか?」
「うん。実はすぐそこが砂漠。向こうには海もある。エトワリアにはそんな地形はない。」
商人だけあって地形には詳しいコルク。そのコルクが言うのだから間違いないだろう。
「じゃあ、目が覚める方法をみつけないと帰れないってこと…?」
「おそらく。」
「ほー、じゃあまゆさんたちは迷子になったわけじゃなかったんだね。」
「またあの時みたいに召喚されたのかと思ったわ…」
「ある意味では迷子と言える気もす…る…!?まゆ!環!」
コルクと同じ雰囲気を持つ少女たちは突然現れるのが得意なのだろうか。まゆと環が話しかけてきた。
「これだけの規模で夢を見ているなら、なごみちゃんも近くにいるかもっすね…」
29 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:23:15 ID:Rz6tlRiPyo
* * *
「すんすん…」
「すんすん…」
「すんすん…」
「え、えぇっと…」
ニナは困惑していた。
なぜなら…
「ニナの髪の匂い落ち着く…」
「本当ですね…」
「はぁ…いい匂い…」
「さ、さすがに三人は…!」
こはる、たまて(?)、ニナに髪の匂いをかがれているニナの姿がそこにあった。
「ねぇ、今度…靴下貸してくれると嬉しいな…。」
「その流れで言うと変な意味にしか聞こえないよ…」
変な意味も何もニナが言っているのはニナが思っている通りの意味ではあるが…
ひとしきりかいだあと、たまて(?)は自分のことについて話していた。
「じゃあ、見た目はたまちゃんだけど、」
「中身は猫さんってこと?」
「じゃあ匂いも猫さんなのかな…?」
「匂いはわかりませんが…私はなごみと言います。」
「なごみちゃんが人になってるってことはいよいよ夢じみてきたね。」
なごみは顔を洗いながら口を開く。
「一応は、エトワリアでも、すっごくがんばれば、変身は、できるのですが、ここに来てから、戻れなく、なってしまって。」
「流石エトワリア…」
「ファンタジーだね…」
「匂いかがせて…?」
約1名変態じみてはいるが、ニナとこはるは慣れてきたようだ。
「あの中に入っていくのは…少々躊躇われますね…」
遠巻きに見ていたセサミは、それでも集団でいたほうが良いか、と近づいていった。
30 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:24:57 ID:Rz6tlRiPyo
* * *
「ん。なごみちゃんもすごみちゃんもいない。」
「おや、冠ちゃんもかい?私ももずくがどこか行ってしまってね。」
「私がぎゃふんって言ってどうするにゃー!あぎり師匠もいないのにゃああああ!」
冠としずくの視線の先には、猫耳を生やした怪しい人が。
「…おやおやもずく!こんな姿になってしまって…!」
「違うにゃあ!私はタマミっていう立派な名前が…」
「知ってたよ。」
「え?」
「宿にも喫茶店にも行ったろ?」
「あ…」
「私も行った。」
「お客様を忘れるなんて、店員失格にゃああああ!」
明後日の方向になやむタマミ。
「とにかく、なごみちゃんとすごみちゃんを探さないと。」
「もずくもだね。…とはいえ、ここがどこだかすら解らないけどね。」
「…変な猫みたいな着ぐるみは見つけた。」
「それは…微妙な顔だね…。」
緑色の猫のような着ぐるみを持ってきた冠。冠は頭だけを被る。
「むふー。」
ご満悦そうである。
「冠本人がいいならいいんだけどね。」
「あら、冠ちゃん、いいキグルミね?…ところで、クロミちゃんを知らない?迷子みたいなの。」
「おや、マイメロディじゃないか!知り合いかい?」
「ん。友達。私もなごみちゃんとすごみちゃんを探してる。一緒に来る?」
「ありがとう!冠ちゃんは優しいのね!」
冠としずくとマイメロディはそれぞれの探し人を探し始めた。
「あ、待つのにゃああ!」
31 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:27:04 ID:Rz6tlRiPyo
* * *
「あら、可愛らしいわね…厳座令州(ごんざれす)ってところかしら?」
「えっと…しずくさんのペットのもずくかと思いますけど…」
青葉が控えめに訂正する。
「それで飼い主さんはどっちにいるの?」
「にゃぁ……」
「厳座令州ちゃん、眠いみたいね…」
「だから、もずくですって!」
「そもそも私たちもここが何処かわからないけれど…」
「そうですね…しずくさんが記念祭にミニゲームで参加するって張り切ってたから急いで作業に戻らないとなのに…」
「あら、猫ちゃんのゲーム?」
「いえ、パズルゲームです…エトワリアが舞台の…」
「あ、青葉さんも、記念祭にゲーム作るんですか?私もなんです!」
知ってる顔を見つけた、とほっとした様子のたまきが走ってくる。
同じようなことをしていると聞いて仲間意識も湧いたのだろう。
「たまきちゃん!たまきちゃんもゲームを短納期で?」
「はい…テルさんが参加しよう!って言い出しまして…」
「お互い大変だね…」
「ゲーム作りは楽しいんですけど…」
「あ、わかる!」
一人話についていけない西山はもずくを撫でながら歩きだした。
「あ、一人で移動しないでください!」
「おいていかないでください!」
青葉とたまきが走って追いかけていく。
「このまま寝ちゃって明日になっちゃうかなって思ったけど…デイリーたまちゃんゲット!」
裕美音はその様子を物陰から覗いていた。
32 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:28:29 ID:Rz6tlRiPyo
本日はここまでです。
4話…間に合うでしょうか…(←無計画の塊)
33 名前リゾチウマーΛ:2020/12/06 13:43:57 ID:9D8As4KdgO
ニナが二人出てきて一瞬あれ?と思いましたが、おちフルのニナとこはるびよりのニナですね。ところでニナ先生はどこですか?
34 名前阿東:2020/12/06 16:39:35 ID:cQMBOtMK/g
二部楽しそうですね!
35 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:31:05 ID:FGezERxex5
寝坊常習犯です。
まずはコメントから。
>>33
ありがとうございます!
ニナちゃんとニナちゃんは匂い絡みで絡んでほしかったので…!
先生も後ほど出てきます。
>>34
ありがとうございます!
このあたりも色々と人間関係でどろどろしていたみたいですね…
36 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:32:22 ID:FGezERxex5
では第4話を投稿させて頂きます。
第4話 ここでしかできないことと純粋な気持ち
37 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:34:14 ID:FGezERxex5
「……あー、なぁ美紀、また別の世界に飛ばされたみたいだが…記憶はあるし、あのときの本とは別物なのか?」
「そうだろうね…あ、あれは…!」
「どうした!?」
ソーニャが現状を纏めていると、美紀が何かを見つけて走り出す。
「おい、待て…!」
「けい…圭だよね…?」
「…あ、美紀じゃん!こうやって会うのも久しぶりだね?」
「やっぱり圭だ…!」
美紀はその場に崩れ落ちる。
「もう、大袈裟なんだから…。」
「会ったら話したいこといっぱいあったはずなのに…」
「ほら、行こう?」
「うん…!」
圭の手を取ろうとする美紀。しかし、
「おい、美紀!お前…」
それを止める声があった。
「ソーニャ?」
「お前、誰と話しているんだ…?」
「え…」
「あら、直樹さん…?」
「…!」
「あ、めぐねぇ!」
「もう、めぐねぇじゃなくて…」
「ごめん、圭…」
「美紀…?あっ…」
美紀が手を下げる。
「私は、圭とは一緒に行けない。」
「……そっか。やっとまた美紀と一緒にいられると思ったんだけどな。」
「生きていればそれでいいか、聞いてきたのはそっちじゃん。」
「あっはは…これは一本取られちゃったね。わかった。それじゃあ…さよなら、美紀。」
笑顔で手を振る美紀。目元が光を反射する。
「うん。…さようなら、圭。」
美紀はそう言って後ろを向く。
「さて、ここから脱出する方法を考えないと。」
「何か…あったんじゃないのか?」
「もう、大丈夫だから。」
「…そう、か。」
美紀とソーニャはそのまままっすぐ歩き出した。
美紀たちの後ろには、もう人影すらも残ってはいなかった。
38 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:35:40 ID:FGezERxex5
* * *
「じゃああれか。夢か。」
「夢…ドリーム…」
「将来なりたいものだねー」
「そっちの夢になっちゃったかー」
相変わらずふわふわとした会話をしてるのは、ゆずこ、唯、縁である。緑ではない。
「あれ?ゆずこちゃんに唯ちゃん?あと…縁ちゃん!良かった…知ってる人に会えた…」
「あ、夏帆ちゃん!そっか、夏帆ちゃんもまよってたかー」
「やっぱりここ、いつものエトワリアじゃないよね?」
「だよねー、夢の世界じゃないかって話になって。」
「夢かどうかを確かめる方法…つねってみる、とか?」
人差し指を立てて夏帆が提案する。
「痛みかー…唯ちゃん、叩いてみてー?」
「叩いてー?」
「ドMかっ!前にもやったなこれ!」
「そういえばうちの喫茶店ドSは居るけどドMはいないんだよね。」
「おぉ、これはチャンスですぜ唯ちゃん」
「唯ちゃんドM担当になるの?」
「ならんわっ!」
39 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:36:50 ID:FGezERxex5
* * *
カーン、と音があたりに鳴り響く。
「ふぅ…るんちゃん、気づいてくれるかな…」
専用バットの強力な一撃をくらった木は、揺れながらも変わらず立っていた。
かさ…と人の歩く音がトオルの背後から聞こえてくる。そして…
「トオルンみーっけ!」
前に思いっきり押し出され、少しよろめく。
「なんだ…」
「なんだって…どうせユタカさんですよー」
期待通りの相手ではなく、少ししょぼくれるトオル。
それでも、一人よりはマシ、と内心ほっとするトオルであった。
「それで…これからどうするんですかい?」
「るんちゃんを探す。」
「えっ…探すって言っても右も左も…」
「るんちゃんを探す。」
「あっはい……」
結局のところ、るんを探しに行くことは辞めないトオルであった。
40 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:38:40 ID:FGezERxex5
* * *
「じゃ、じゃあ、ルンも目が覚めたらここに居たってこと?」
「そうだよー?」
「すごくほのぼのとしてますね!?もっと抱きましょうよ、危機感を!」
「危機感だけ持っていても仕方ないでしょー。それより、お腹が空きました!」
「う、うちはお腹空いてへんで?」
ゆんが言った瞬間にぐー、と音が鳴り響く。
宮子が肩に手をぽん、と優しくのせた。
「お腹が減っては戦はできぬ…そう、我慢は身体に毒なのです!」
「ちゃうねん…体重計が…その…な?」
「無理に食事抜くと、逆に太くなりますよ…?」
「でもお腹空いたら食べちゃうよねー?その分運動しよう!100キロマラソンだー!」
「流石に倒れちゃうよ!?」
「え…うち…倒れるんか…?」
「…って違いますよ!」
「アズサ!?」
アリスが梓の声に驚く。梓の隣にいたからかもしれないが、反対側の隣にいたるんは何事もなかったように雲の数を数えていた。
「あ、すみません…とにかく、いま大事なのはどうやって里に帰るかです!」
「アズサはしっかり者だね!」
41 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:41:15 ID:FGezERxex5
* * *
「さて…と。…あら?」
アモルの視線の先には、
「ゆうちゃん…ゆうちゃん…ぐすっ…」
優と離れて寂しがってる春香がいた。
「あらあら、こんなに泣いちゃって…」
「あ、アモルちゃん…だって優ちゃんが…」
「はいはい、よしよし…」
「ぐす…ようこぉ……」
「…あらあら?」
アモルの視線の先には、陽子と離れて寂しがってる綾がいた。
「ほらほら、なでなで…」
「うぅっ…こはね…」
「…え、えぇっと…」
寂しがってる宇希を見て、
「そうね…探しに行きましょう?」
アモルは三人を引き連れて歩いて行きました。
一方、その歩いて行った逆の方向では、
「元の場所に戻れないと困るんだよな…」
「もー、そんなに気にしなくてもそのうち戻るって!ね、陽子ちゃん!」
「えっ…あっ、そうだな!」
優に振られて若干困った様子の陽子。
「そうだよオルバさん!ごーふぉーうぃん!ほーるいんわん!だよ!」
「なんか違わね!?」
オルバへの励ましにチアをしようとするも、半分はツッコミで出来てる陽子に止められてしまった。
内心、こいつらと行動を共にして大丈夫か?と不安になるオルバであった。
42 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:42:22 ID:FGezERxex5
本日はここまでです。
ありがとうございました!
クリスマス千夜ちゃん楽しみです!
次回↓
きらび管理人
27 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:20:13 ID:Rz6tlRiPyo
「くー!(ここはどこだ?)」
「くーくー!(わかんない!)」
「くー…(帰れるのかなぁ…)」
クロモンがくーくー騒ぐ中、途方に暮れた黒い影が一つ。
「…さて、と。これはどうしたものかな。」
「やっぱりクロモンと同族なんじゃねぇの?」
「いや、まぁそれも問題ではあるんだけどね。」
「分かってるよ。今度はどこに飛ばされたのかねぇ…」
目が覚めると、クロとセンは見たことのない場所に立っていた。
「さて、どうしようか。きっと帰らないときらら達が心配するだろうし…」
「もー、クロミちゃんたち〜!待ちなさいよ〜!」
「くー…(変な名前つけられる前に名前教えたのが間違いだったわ…)」
「ちょっ…なんでアタイまで巻き込まれてるのさっ!」
「くー…(がんばれー)」
「くー…(負けないでー)」
「くー!(応援だけじゃなくて手伝いなさーい!)」
クロモンとマスコットキャラを追い回す照の姿。
「うん、夢でも見ているんだろう。」
「あー…そうかもな…」
結論は一人と一匹で完全に合致した。
28 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:21:40 ID:Rz6tlRiPyo
* * *
「…ねぇ、すごみちゃん?」
「はいっす!」
「なんで…人間の姿になってるの?」
「わからないっす!」
「私はこのままでもいいですけど…」
花名が困惑し、元気に返事をするすごみの間でクレアはご満悦そうな声を上げた。
「でも本当にわからないっす。元に戻ろうと思っても戻れなくて…まぁ普段見てる夢ではいつも人間の姿なんすけどね!」
「ゆ、夢じゃないよねこれ!?」
「夢の可能性はある。」
「ひゃ、コルクちゃん!」
近くの茂みからコルクが出てきた。
「コルクちゃん、いきなり抱きつかないでください!」
「む、残念。」
「…コルクさん?」
「わかってる。ごめん。」
「そう言いながらもふもふしないでくださいー!」
ナチュラルにクレアのもふもふ作業に戻るコルク。諦めていないのか遊んでいるだけなのか、表情からは読み取れない。
「それで…夢かもしれないってどういうことっすか?」
「うん。実はすぐそこが砂漠。向こうには海もある。エトワリアにはそんな地形はない。」
商人だけあって地形には詳しいコルク。そのコルクが言うのだから間違いないだろう。
「じゃあ、目が覚める方法をみつけないと帰れないってこと…?」
「おそらく。」
「ほー、じゃあまゆさんたちは迷子になったわけじゃなかったんだね。」
「またあの時みたいに召喚されたのかと思ったわ…」
「ある意味では迷子と言える気もす…る…!?まゆ!環!」
コルクと同じ雰囲気を持つ少女たちは突然現れるのが得意なのだろうか。まゆと環が話しかけてきた。
「これだけの規模で夢を見ているなら、なごみちゃんも近くにいるかもっすね…」
29 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:23:15 ID:Rz6tlRiPyo
* * *
「すんすん…」
「すんすん…」
「すんすん…」
「え、えぇっと…」
ニナは困惑していた。
なぜなら…
「ニナの髪の匂い落ち着く…」
「本当ですね…」
「はぁ…いい匂い…」
「さ、さすがに三人は…!」
こはる、たまて(?)、ニナに髪の匂いをかがれているニナの姿がそこにあった。
「ねぇ、今度…靴下貸してくれると嬉しいな…。」
「その流れで言うと変な意味にしか聞こえないよ…」
変な意味も何もニナが言っているのはニナが思っている通りの意味ではあるが…
ひとしきりかいだあと、たまて(?)は自分のことについて話していた。
「じゃあ、見た目はたまちゃんだけど、」
「中身は猫さんってこと?」
「じゃあ匂いも猫さんなのかな…?」
「匂いはわかりませんが…私はなごみと言います。」
「なごみちゃんが人になってるってことはいよいよ夢じみてきたね。」
なごみは顔を洗いながら口を開く。
「一応は、エトワリアでも、すっごくがんばれば、変身は、できるのですが、ここに来てから、戻れなく、なってしまって。」
「流石エトワリア…」
「ファンタジーだね…」
「匂いかがせて…?」
約1名変態じみてはいるが、ニナとこはるは慣れてきたようだ。
「あの中に入っていくのは…少々躊躇われますね…」
遠巻きに見ていたセサミは、それでも集団でいたほうが良いか、と近づいていった。
30 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:24:57 ID:Rz6tlRiPyo
* * *
「ん。なごみちゃんもすごみちゃんもいない。」
「おや、冠ちゃんもかい?私ももずくがどこか行ってしまってね。」
「私がぎゃふんって言ってどうするにゃー!あぎり師匠もいないのにゃああああ!」
冠としずくの視線の先には、猫耳を生やした怪しい人が。
「…おやおやもずく!こんな姿になってしまって…!」
「違うにゃあ!私はタマミっていう立派な名前が…」
「知ってたよ。」
「え?」
「宿にも喫茶店にも行ったろ?」
「あ…」
「私も行った。」
「お客様を忘れるなんて、店員失格にゃああああ!」
明後日の方向になやむタマミ。
「とにかく、なごみちゃんとすごみちゃんを探さないと。」
「もずくもだね。…とはいえ、ここがどこだかすら解らないけどね。」
「…変な猫みたいな着ぐるみは見つけた。」
「それは…微妙な顔だね…。」
緑色の猫のような着ぐるみを持ってきた冠。冠は頭だけを被る。
「むふー。」
ご満悦そうである。
「冠本人がいいならいいんだけどね。」
「あら、冠ちゃん、いいキグルミね?…ところで、クロミちゃんを知らない?迷子みたいなの。」
「おや、マイメロディじゃないか!知り合いかい?」
「ん。友達。私もなごみちゃんとすごみちゃんを探してる。一緒に来る?」
「ありがとう!冠ちゃんは優しいのね!」
冠としずくとマイメロディはそれぞれの探し人を探し始めた。
「あ、待つのにゃああ!」
31 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:27:04 ID:Rz6tlRiPyo
* * *
「あら、可愛らしいわね…厳座令州(ごんざれす)ってところかしら?」
「えっと…しずくさんのペットのもずくかと思いますけど…」
青葉が控えめに訂正する。
「それで飼い主さんはどっちにいるの?」
「にゃぁ……」
「厳座令州ちゃん、眠いみたいね…」
「だから、もずくですって!」
「そもそも私たちもここが何処かわからないけれど…」
「そうですね…しずくさんが記念祭にミニゲームで参加するって張り切ってたから急いで作業に戻らないとなのに…」
「あら、猫ちゃんのゲーム?」
「いえ、パズルゲームです…エトワリアが舞台の…」
「あ、青葉さんも、記念祭にゲーム作るんですか?私もなんです!」
知ってる顔を見つけた、とほっとした様子のたまきが走ってくる。
同じようなことをしていると聞いて仲間意識も湧いたのだろう。
「たまきちゃん!たまきちゃんもゲームを短納期で?」
「はい…テルさんが参加しよう!って言い出しまして…」
「お互い大変だね…」
「ゲーム作りは楽しいんですけど…」
「あ、わかる!」
一人話についていけない西山はもずくを撫でながら歩きだした。
「あ、一人で移動しないでください!」
「おいていかないでください!」
青葉とたまきが走って追いかけていく。
「このまま寝ちゃって明日になっちゃうかなって思ったけど…デイリーたまちゃんゲット!」
裕美音はその様子を物陰から覗いていた。
32 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/06 10:28:29 ID:Rz6tlRiPyo
本日はここまでです。
4話…間に合うでしょうか…(←無計画の塊)
33 名前リゾチウマーΛ:2020/12/06 13:43:57 ID:9D8As4KdgO
ニナが二人出てきて一瞬あれ?と思いましたが、おちフルのニナとこはるびよりのニナですね。ところでニナ先生はどこですか?
34 名前阿東:2020/12/06 16:39:35 ID:cQMBOtMK/g
二部楽しそうですね!
35 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:31:05 ID:FGezERxex5
寝坊常習犯です。
まずはコメントから。
>>33
ありがとうございます!
ニナちゃんとニナちゃんは匂い絡みで絡んでほしかったので…!
先生も後ほど出てきます。
>>34
ありがとうございます!
このあたりも色々と人間関係でどろどろしていたみたいですね…
36 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:32:22 ID:FGezERxex5
では第4話を投稿させて頂きます。
第4話 ここでしかできないことと純粋な気持ち
37 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:34:14 ID:FGezERxex5
「……あー、なぁ美紀、また別の世界に飛ばされたみたいだが…記憶はあるし、あのときの本とは別物なのか?」
「そうだろうね…あ、あれは…!」
「どうした!?」
ソーニャが現状を纏めていると、美紀が何かを見つけて走り出す。
「おい、待て…!」
「けい…圭だよね…?」
「…あ、美紀じゃん!こうやって会うのも久しぶりだね?」
「やっぱり圭だ…!」
美紀はその場に崩れ落ちる。
「もう、大袈裟なんだから…。」
「会ったら話したいこといっぱいあったはずなのに…」
「ほら、行こう?」
「うん…!」
圭の手を取ろうとする美紀。しかし、
「おい、美紀!お前…」
それを止める声があった。
「ソーニャ?」
「お前、誰と話しているんだ…?」
「え…」
「あら、直樹さん…?」
「…!」
「あ、めぐねぇ!」
「もう、めぐねぇじゃなくて…」
「ごめん、圭…」
「美紀…?あっ…」
美紀が手を下げる。
「私は、圭とは一緒に行けない。」
「……そっか。やっとまた美紀と一緒にいられると思ったんだけどな。」
「生きていればそれでいいか、聞いてきたのはそっちじゃん。」
「あっはは…これは一本取られちゃったね。わかった。それじゃあ…さよなら、美紀。」
笑顔で手を振る美紀。目元が光を反射する。
「うん。…さようなら、圭。」
美紀はそう言って後ろを向く。
「さて、ここから脱出する方法を考えないと。」
「何か…あったんじゃないのか?」
「もう、大丈夫だから。」
「…そう、か。」
美紀とソーニャはそのまままっすぐ歩き出した。
美紀たちの後ろには、もう人影すらも残ってはいなかった。
38 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:35:40 ID:FGezERxex5
* * *
「じゃああれか。夢か。」
「夢…ドリーム…」
「将来なりたいものだねー」
「そっちの夢になっちゃったかー」
相変わらずふわふわとした会話をしてるのは、ゆずこ、唯、縁である。緑ではない。
「あれ?ゆずこちゃんに唯ちゃん?あと…縁ちゃん!良かった…知ってる人に会えた…」
「あ、夏帆ちゃん!そっか、夏帆ちゃんもまよってたかー」
「やっぱりここ、いつものエトワリアじゃないよね?」
「だよねー、夢の世界じゃないかって話になって。」
「夢かどうかを確かめる方法…つねってみる、とか?」
人差し指を立てて夏帆が提案する。
「痛みかー…唯ちゃん、叩いてみてー?」
「叩いてー?」
「ドMかっ!前にもやったなこれ!」
「そういえばうちの喫茶店ドSは居るけどドMはいないんだよね。」
「おぉ、これはチャンスですぜ唯ちゃん」
「唯ちゃんドM担当になるの?」
「ならんわっ!」
39 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:36:50 ID:FGezERxex5
* * *
カーン、と音があたりに鳴り響く。
「ふぅ…るんちゃん、気づいてくれるかな…」
専用バットの強力な一撃をくらった木は、揺れながらも変わらず立っていた。
かさ…と人の歩く音がトオルの背後から聞こえてくる。そして…
「トオルンみーっけ!」
前に思いっきり押し出され、少しよろめく。
「なんだ…」
「なんだって…どうせユタカさんですよー」
期待通りの相手ではなく、少ししょぼくれるトオル。
それでも、一人よりはマシ、と内心ほっとするトオルであった。
「それで…これからどうするんですかい?」
「るんちゃんを探す。」
「えっ…探すって言っても右も左も…」
「るんちゃんを探す。」
「あっはい……」
結局のところ、るんを探しに行くことは辞めないトオルであった。
40 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:38:40 ID:FGezERxex5
* * *
「じゃ、じゃあ、ルンも目が覚めたらここに居たってこと?」
「そうだよー?」
「すごくほのぼのとしてますね!?もっと抱きましょうよ、危機感を!」
「危機感だけ持っていても仕方ないでしょー。それより、お腹が空きました!」
「う、うちはお腹空いてへんで?」
ゆんが言った瞬間にぐー、と音が鳴り響く。
宮子が肩に手をぽん、と優しくのせた。
「お腹が減っては戦はできぬ…そう、我慢は身体に毒なのです!」
「ちゃうねん…体重計が…その…な?」
「無理に食事抜くと、逆に太くなりますよ…?」
「でもお腹空いたら食べちゃうよねー?その分運動しよう!100キロマラソンだー!」
「流石に倒れちゃうよ!?」
「え…うち…倒れるんか…?」
「…って違いますよ!」
「アズサ!?」
アリスが梓の声に驚く。梓の隣にいたからかもしれないが、反対側の隣にいたるんは何事もなかったように雲の数を数えていた。
「あ、すみません…とにかく、いま大事なのはどうやって里に帰るかです!」
「アズサはしっかり者だね!」
41 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:41:15 ID:FGezERxex5
* * *
「さて…と。…あら?」
アモルの視線の先には、
「ゆうちゃん…ゆうちゃん…ぐすっ…」
優と離れて寂しがってる春香がいた。
「あらあら、こんなに泣いちゃって…」
「あ、アモルちゃん…だって優ちゃんが…」
「はいはい、よしよし…」
「ぐす…ようこぉ……」
「…あらあら?」
アモルの視線の先には、陽子と離れて寂しがってる綾がいた。
「ほらほら、なでなで…」
「うぅっ…こはね…」
「…え、えぇっと…」
寂しがってる宇希を見て、
「そうね…探しに行きましょう?」
アモルは三人を引き連れて歩いて行きました。
一方、その歩いて行った逆の方向では、
「元の場所に戻れないと困るんだよな…」
「もー、そんなに気にしなくてもそのうち戻るって!ね、陽子ちゃん!」
「えっ…あっ、そうだな!」
優に振られて若干困った様子の陽子。
「そうだよオルバさん!ごーふぉーうぃん!ほーるいんわん!だよ!」
「なんか違わね!?」
オルバへの励ましにチアをしようとするも、半分はツッコミで出来てる陽子に止められてしまった。
内心、こいつらと行動を共にして大丈夫か?と不安になるオルバであった。
42 名前ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2:2020/12/07 07:42:22 ID:FGezERxex5
本日はここまでです。
ありがとうございました!
クリスマス千夜ちゃん楽しみです!
次回↓
がっこうぐらし関連はえぐられる
きらび管理人
コメント
コメント一覧 (1)
暗黒冬将軍ちゃんも出して欲しいです!!
na_seiji
がしました