
1 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:00:00 ID:BbD2DjNuF.
あお 「み、みら? どうしたの、その一人称」
みら 「? なんのこと? それより、ぼくの着替え知らない?」
あお 「え、えーとね...確か脱衣所にあるはずだよ」
みら 「そっか。ありがとねー」ダダダ...
あお 「...何あれ」
[Attention!]
この作品は『恋する小惑星 (アステロイド)』を題材としたSSです。
あくまで本編や聖典原作とは一切無関係な所謂二次創作 (或は三次創作) です。
創作の関係上、大いに独自設定 ・ 捏造 ・ 原作を逸脱した点が存在します。
タイトルにもある通り、みらがぼくっ娘と化しています。
余談ですが、ぼくっ娘は執筆者の好きな属性です。ぼくっ娘みら概念。これは流行る。
...嘘ですごめんなさい許してください。
書き溜めありです。と言うより、既に最後まで完成しています。
最後に、執筆者は大の恋アスファンです。推すか推さないかじゃない。推すんだ。推していこう。
以上の点を了承してくださる方は、どうかお付き合いください。
引用元:https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3727&ukey=0
2 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:02:04 ID:BbD2DjNuF.
あお (みらが何か変だよ! みらの一人称って “ぼく” じゃなくて “わたし” だったよね? わたしの記憶が正しければ、今日帰ってくるまでは確かにいつも通りだったはず)
あお (考えても疑問符ばかりが浮かぶだけ。どうしよう、おかしくなっちゃったとまでは言わないけど、みらに何かあったのかな)
あお (それにしたって、ピンポイントすぎない? 一人称だけいつもと違うって)
みら 『あったー! よかった。あお、ありがとねー』
あお 「あ、うん! 見つかったようでこっちも安心だよー!!」
あお (ほんと、一人称以外はいつも通りなんだけどなぁ)
3 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:04:04 ID:BbD2DjNuF.
----------
みら 「あおー。寂しいー。ぼくとおしゃべりしよー」
あお 「う、うん。そうだね」
あお (その一人称のせいで集中できるかわからないんだけど)
みら 「えへへー。あおー」 ギュッ
あお 「ひゃっ!?」ビクッ
みら 「あお、あったかい」
あお 「そ、そう? みらも結構あったかいよ」
みら 「そっかぁ。ぼくたちお揃いだね」 ニコッ
あお 「っ...!」 キュン
あお 「そ、それで、どんなお話する?」
みら 「あ、そうだった。ぼくとしたことがつい」
あお (落ち着かない)
4 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:06:01 ID:BbD2DjNuF.
みら 「うんとね... よし、決めた」
みら 「あお。ぼく、昨日不思議な夢を見たんだ。だからその話するね」
あお 「夢...? どんな内容だったの?」
みら 「うーん。はっきりと覚えてるわけじゃないんだけど、確かこんな感じだったかな」
みら 『ふぇぇぇ、あおぉ... どこぉぉ?』
みら 『ぼくを独りにしないでよぉ』
??? 『ままー』
みら 『ん? 小さな女の子が、お母さんを探してるみたい。今のぼくとそっくり』
みら 『せめて、ぼくにできる手助けをしよう。おうちのあるところとか、場所が分からなければ交番に連れて行ってあげるとか、それくらいのことしかできないかもしれないけど』
みら 『おーい、大丈夫? おうちの場所わかr... えっ』
イノ (幼児体型) 『!!』
みら 『い、イノ先輩...!? 一体これはどういう...』
イノ 『ままー!!』 ギュッ
みら 『えぇぇぇ!? ぼ、ぼく!? ぼくがママなの!?』
イノ 『? まま、どうしたんですか? ままは舞のままですよ?』 エンジェルスマイル
みら 『...っ!?』 キュン
5 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:08:03 ID:BbD2DjNuF.
みら (どうしよう。一切身に覚えがないはずなのに、まるでイノ先輩と一緒に暮らしてきたかのような感覚が勝手に...)
イノ 『まま... だいすき♪』 ニコッ
みら (もしかして、ぼくはイノ先輩... 舞のママだったのかも) ドキドキ
あお 『みらー!!』 タタタ
みら 『あ、あお! 良かった、独りぼっちにされたわけじゃなかったんだ』
あお 『ごめんね。ちょっと道案内してたら長引いちゃった』
みら 『ううん、全然大丈夫...』
イノ 『おかあさーん!!』
みら 『え? さっきは “まま” って...』
あお 『はいはい。どうしたの、舞? お母さん居なくて寂しかった?』 ギュッ
みら 『』
イノ 『おかあさん、高い高いしてくださーい!!』 キャッキャッ
あお 『しょうがないなぁ。ほーら、高い高ーい』 グイッ
イノ 『~~♪』
みら 『』
あお 「... ものすごい夢だね」
みら 「ぼくもそう思うよ」
6 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:10:02 ID:BbD2DjNuF.
あお 「わたしたち自然な流れで結婚してるし、その上娘までいるのは流石に闇が深すぎじゃない?」
みら 「しかも娘がイノ先輩という」
あお 「... みら。夢っていうのは欲望が何かしらの形となって現れやすい場だって、何処かで聞いたことがあるんだけど」
みら 「...はい」
あお 「もしかしてみら、イノ先輩のことをそういう目で見てたの...?」 ジトー
みら 「ち、違うよぉ!! そんなわけないじゃん!!」
みら (マスコットキャラみたいだなぁ、とは思ったことあるけど)
あお 「そっか」
あお (そして、夢の中でもみらの一人称はそのままなんだね...)
7 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:12:02 ID:BbD2DjNuF.
----------
みら 「あおは、最近面白い夢とか見た?」
あお 「うーん... あ、あれとかいいかも」
みら 「お、聞かせて聞かせて」
あお 「えっとね...」
あお 『すぅ、すぅ...』 zzz
??? 『...きて。あお、起きて!!』
あお 『むにゃ... だ、誰...?』
みら 『もう、わたしだってば。木ノ幡みらだよ』
あお 『あ、みら... おはよぉ』
みら 『...もう10時だよ。まさか、今日の予定忘れてないよね?』
あお (? 今日の大事な予定...。えーっと...)
あお 『...あっ!!』
8 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:14:01 ID:BbD2DjNuF.
みら 『今なら、急げば間に合うよ。準備手伝ってあげる』
あお 『あ、ありがと...』
みら 『でもさ。わたし、嬉しいよ。本当にこの日を迎えられるなんて』
あお 『わたしも。みらにはほんと感謝してる』
みら 『わ、わたしのことはいいから、あおはもっとシャキッとして! まさか当日まで自室に籠って作業してるなんて、思わなかったよ』
あお 『だって、夢中になっちゃって止められなかったんだもん』
みら 『ある意味ワーカホリックだね...。尤も、それに関してはわたしも同じようなものだから、あんまり強くは言えないけど』
あお 『わたしたち、やっぱり似た者同士だよね』
みら 『そうだね。だからこそ、今日があるんだ』
あお 『感慨深いね』
みら 『ほぉら、手が止まってる!! さっさと支度っ!!』 ヌガシヌガシ
あお 『あ、ちょっとみら、そこは自分で脱ぐからぁ!!』 アワアワ
みら 『... よし。これでいいかな』
あお 『結局、殆どみらにやってもらっちゃった...』
みら 『じゃああお、行こっか』
あお 『うん』
9 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:16:01 ID:BbD2DjNuF.
ガチャ
パシャパシャパシャパシャ
みら 『皆様、お集まりいただきありがとうございます』
あお 『先日論文で報告させていただいた通り、この度、わたくし真中あお、及び木ノ幡みらの率いる研究チームが、アステロイドベルトにおいて新たな小惑星を発見いたしました』
みら『新たに発見しました小惑星につきましては、スミソニアン天体物理観測所の小惑星センターに『あお』という名で命名申請を行い、滞りなく承認される予定であります』
みら 『...私事にはなりますが、小惑星に研究チームのリーダーである真中の名を冠する運びとなったのは、わたしと真中... あおとが、幼い頃に交わした約束が切っ掛けでした』
あお (みら...)
みら 『あお、今日わたしがこの場にいられるのは、あおのおかげだよ。あおと一緒だったから、見つけられたんだ。あおの星を』
あお 『み、みら... 今、記者会見中』
みら 『あお、わたし... あおと出逢えてよかったぁ... うぇぇぇん』 ギュゥゥゥ
あお 『ひぃぃん!?』 ビクッッ
記者 (イヴちゃん先輩) 『... お前たち、あの頃から変わらないな...』
あお 「...みたいな夢」
みら 「あおの見た夢、素敵だね」
10 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:18:02 ID:BbD2DjNuF.
あお 「駄洒落のつもりはないけど、わたしたちの持ってる『夢』が叶ったって内容だもんね。わたし、目が覚めてから暫く放心状態だったよ」
みら 「案外、ぼくたちの行き着きうるひとつの未来の形だったのかもしれないね」
あお 「あの世界での先輩たちの様子とか知りたくなっちゃうな」
みら 「確かに。イヴ先輩は科学系ジャーナリストとして出てきてたけど、桜先輩やモンロー先輩、イノ先輩とかも当然いるはずだもん。それに、ナナちゃんとかチカちゃん、すずちゃんにお姉ちゃん、ともりんにマッキーに...」
あお 「ちょ、多い多い」
みら 「あはは、ごめんごめん」
あお 「まぁ、気持ちはすっごくわかるけどね。折角出逢えた人たちだもの、いつも、いつでも、いつまでも、元気でいてほしいよね」
みら 「謎の三段活用」
みら 「でもその通りだよ! それでさ、たまに皆で集まって思い出話に花を咲かせる... とか良くない!?」
あお 「心に描いた未来予想図は無限大だね」
みら 「きっと叶うよ。思ったとおりに」
11 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:20:02 ID:BbD2DjNuF.
---------
みら 「それでね~、桜先輩がぼくのこといっぱい褒めてくれたんだ~。でもそのせいで、チカちゃんがやきもち焼いちゃって...」
あお (...)
みら 「ぼくと桜先輩とナナちゃんの三人で必死に説得して、やっとチカちゃん元通りになったんだよね。いやー、なかなかハードな夢だった」
あお 「そ、そうなんだ...。チカちゃんって物静かだから、ちょっと珍しい反応に思えるよ」
みら 「でしょでしょ? 後はね、星咲高校にともりんとマッキーが転校してきて、地学部に入部してくれた夢も見たよ。夢の中とはいえ、久しぶりにお話できて楽しかったぁ」
あお (駄目だ。どう誤魔化しても落ち着かない。これ以上流すことは不可能だよ...)
あお (もう我慢ならないっ!! 訊いちゃおう)
みら 「それからね...」
あお 「あ... あのさ、みら」
みら 「? どしたの? ぼくの顔に何かついてる?」
あお 「そ、そうじゃなくて」
12 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:22:03 ID:BbD2DjNuF.
あお 「みら、急に一人称が “わたし” から “ぼく” に変わった気がするんだけど... 何かあったの?」
あお (訊いちゃった。ついに訊いちゃったよ。さぁ、どんな答えが...)
みら 「? ぼくの一人称?」
あお 「うん...」
みら 「...あはは。そううまくはいかないか。やっぱりわたしの今日の態度、変って思った?」
あお 「え、あ、ううん! そんなことないよ!!」
あお (ちょっと変だと思っちゃったことは、絶対内緒にしなきゃ)
13 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:24:02 ID:BbD2DjNuF.
みら 「わたし、あおに振り向いてほしくてさ」
あお (...ん?)
みら 「最近、あおがわたしのことあんまり構ってくれなくなった気がして... あっ、別にあおを責めてるわけじゃないからね」
あお (??)
みら 「それで、そのことをすずちゃんに相談したら、プチイメチェンで気を引くことをアドバイスされて」
あお (成程、すずさんか)
みら 「わたし、色々考えたんだけど何も思い付かなくて。そしたら、すずちゃんが」
すず 『前にあおが風邪引いたときのこと、憶えてる?』
みら 『あー、あのときね。すずちゃんに騙されて変なこと言わされた』
すず 『そう!! それをもう一度活かすべきだとわたしは思う!!』
みら 『... どゆこと?』
14 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:26:03 ID:BbD2DjNuF.
すず 『みら、あのときわたしが言わせた台詞、言ってみて?』
みら 『え? えーと確か...』
みら 『君はぼくの太陽... 早く元気な姿を見せて、ぼくの心を照らしてほしい』 キリッ
すず 『あっ///』 キュンッ
みら 『...って、ハズカシー!!』 プルプル
すず 『ふ、不束者ですが...///』
みら 『すずちゃん...?』
すず 『はっ!? ご、ごめんねみら。わたし、変なこと言っちゃったかも。気にしないで!!』
みら 『わ、わかった...』
15 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:28:01 ID:BbD2DjNuF.
すず 『兎に角っ!! 今みたいな感じで、普段とは違うみらを見せつけてアピールするの!! 一人称が違うだけでも結構印象違うと思うよ!!』
すず 『名付けて、『ぼくっ娘みらちゃん大作戦』っ!!』 バァァァァン
みら 『は、はぁ...』
みら 「...って経緯があって、一人称を変えて過ごしてたの」
あお 「そっか。今日のみらが妙に構ってちゃんだった裏には、そういう流れがあったんだ」
みら 「そ、そうなの...///」 モジモジ
あお (かわいい)
みら 「ごめんね、あお。わたし、ちょっとめんどくさいかな」 シュン
あお (かわいい)
みら 「お、お願い、わたしのこと嫌いにならないで...? あおに嫌われちゃったら、わたしどうしたらいいか...」 ウルウル
あお 「ふぇっ!? お、落ち着いてっ!! わたし、そんなことしないからぁ!!」
16 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:30:02 ID:BbD2DjNuF.
----------
みら 「ぐすん... ごめん、取り乱しちゃって」
あお 「全然大丈夫。みらが落ち着いたようで良かった」
みら 「わたし、前のめりになりすぎてたね。うまくいくって思い込んで、そのまま突っ走ってた」
あお 「...まぁ、唐突感が否めなかったことは、否定しないけど」
みら 「まさかここまで不発だとは思わなかったなぁ」
あお 「...」
みら 「次はもう少し自然な感じで... あぁ、でもやりすぎると意外性がないし...」 ブツブツ
あお 「み、みら」 ギュッ
みら 「ふぁぁぁ!? な、なになに!?」 モジモジ
17 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:32:01 ID:BbD2DjNuF.
あお 「さっきも言ったけど、わたしはみらのこと、絶対嫌いになんかならないよ。いつでも大切に思ってるし、返しきれないくらい感謝もしてる」
みら 「あお...」
あお 「一人称の件だって、落ち着かなくてつい訊いちゃったのは確かだし、最初はびっくりもしたけど... け、結構いいと思うよ。かっこいいし、かわいい」
みら (ど、どうしよう! わたし、なんか褒められてる!? そんな真剣な顔で言われると照れちゃうよ...///)
あお 「ただ、わたしはみらが自分らしくいてくれるのが一番嬉しいの。だから、安心して。わたしはずっと、みらの味方だよ」 ギューッ
みら 「... うん。あお、ありがとう」 ギューッ
18 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:34:00 ID:BbD2DjNuF.
----------
あお 「ところで、ずっと気になってたんだけど」
みら 「? 何?」
あお 「わたし、そんなにみらのこと放置してたかな? ごめん、正直自分ではそんなつもり全然なかったから」
みら 「え゛」
あお 「そ、そんなに衝撃だったの!?」
みら 「... あー、でも冷静になって振り返ってみたら、あおが前より色んな人と話すようになったから、相対的にわたしと話す時間が減っただけか。それって喜ばしいことなんだよね」
あお 「... みらだけとお話するようにした方が、いい...?」
みら 「ちちち違うって!! そんな重い意味で言ったわけじゃないからっ!!」 アワアワアワ
19 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:36:05 ID:BbD2DjNuF.
みら 「むしろ、反省してる。あおの友達がどんどん増えていくことに、『おめでとう』って言うべきだった。それこそ、前のめりだったんだ」
あお 「そういうことだったら、わたしも反省しなくちゃ。みらの気持ちにちゃんと気付いてあげられなかったわたしを、これから改める」
みら 「そ、そんな... 悪いのはわたしなのに」
あお 「ううん、わたしの方が悪かった」
みら 「わたしだよ!!」
あお 「わたしだって!!」
みらあお 「うー...」
みらあお 「...」
みらあお 「...あははははっ!!」
20 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:38:02 ID:BbD2DjNuF.
みら 「わたしたち、ほんと似た者同士だね」
あお 「そうだね、そっくりだ」
みら 「結局、お互い思い違いしてたのが原因だったわけだし、これで解決だよね」
あお 「異議なし」
みら 「...でも、そうだね...」 グイッ
あお 「みら...?」
みら 「たまにはぼくっ娘なわたしも、いいかもね」 ニコッ
あお 「!?」 ビクッ
みら 「あお。ぼくと、ずぅっと仲良くしてね」
あお 「ぁ、ぁぅぅ...///」 プシュー
21 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:40:02 ID:BbD2DjNuF.
----------
[翌日 ・ 星咲高校地学部部室]
みら 「さぁて、今日もおしまーい!!」
あお 「そっか、もうそんな時間だったんだ」
ナナ 「今日は結構疲れましたね」
チカ 「でもその分、達成感も大きいです」
イノ 「この調子で、明日以降も頑張りましょう!」
みら 「あーおっ。わたしと一緒に帰ろ」
あお 「あっ、うん。ちょっと待っててね」
22 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:42:01 ID:BbD2DjNuF.
チカ 「ナナちゃん、わたしたちも帰りましょうか」
ナナ 「そうだね。あっ、そうだ。わたし、今日はどこか外食行こうと思ってるんだけど、チカも一緒にどう?」
チカ 「はい、是非とも。それで、どこに行くのか決まってますか?」
ナナ 「あー... ううん、まだなんにも」
チカ 「そうしたら、ジオマンシーで決めましょう。いくつか候補を挙げてください」 ガサゴソ
ナナ 「えっ、ジオマンシーってそんなことも占えるの? もう無敵だね...」
イノ 「あはは、あんまり長引かないようにしてくださいね...」
23 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:44:02 ID:BbD2DjNuF.
あお 「... よし、準備できた。みら、もう大丈夫だよ」
みら 「おっけー。それじゃ、ぼくたちはお先に失礼しまーす」 ペコリ
あお 「っ!? お、お疲れ様...でした...///」 ペコリ
タタタ...
イノ、ナナ、チカ 「お疲れ様でしたー」
イノ、ナナ、チカ 「...」
イノ、ナナ、チカ 「ん??」
みら 「今月出す予定のKiraKira、だいぶ形にはなってきたと思うけど、まだ手直ししたい部分がいくつかあってさ」
あお 「...」
みら 「まだ最終稿の提出まで多少時間があるから、ぼくはもう少し頑張ろうと思うんだけど、あおはどう思う?」
あお 「...」
みら 「...あお...?」
あお 「...やっぱり落ち着かなーいっ!!」
--fin--
24 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:45:59 ID:BbD2DjNuF.
[あとがき]
はい、ということで終わりです。このところ花粉症の症状がつらいです...。
今回の話は割と以前から構想しており、やっと完成したことでいつも以上に達成感を憶えております。アイディアリストを確認したら、昨年12月に投稿したクレアちゃんのSSより前に発案していたみたいです。それにしては文が短いな...。
半ばぼくっ娘と関係ない内容になってしまいましたが、その辺はご愛嬌。どうしてもみらとあおの未来のお話を書いてみたかったんです。こういう妄想ができる点は偏に二次創作の強みです。勿論、キャラに対する愛とリスペクトは欠かしません。
因みに、研究者ルートにしたのは作者の趣味です。こういう進路が何一つ違和感ない恋アスの皆様は、なかなかの強キャラだと思います。
それと、完全に余談ですが、ぼくっ娘好きが高じて最近『あんハピ♪』の狭山椿ちゃんが推しになりました。悔しいことに原作もアニメもまだ履修できていませんがね...。やっぱりきらファンは偉大ですよ。
最後になりますが、ここまで読んでくださった方に心から感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
25 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:48:05 ID:BbD2DjNuF.
[これまで書いたSSリスト (順次追加) ]
・ 『あお 「くじら座の変光星の女の子」』
・ 『変な生き物 「遂に誰からも本名で呼ばれなくなった」』
・ 『クレア 「わたしは鍵の管理人」』
・ 『クロ 「この丘から見える星空は」』
・ 『きらら 「ツンツーンください!!!!!!!!」 サンストーン 「いきなりでけぇ声あげんなよ うるせぇよ」』
・ 『みさ「みらがかわいすぎて生きるのがつらい」』
・ 『シャミ子 「杏里ちゃん、一緒に帰ろ?」』
・ 『千矢 「風邪を引いた夜のお話」』
・ 『スズラン 「飯奢ってくれ」 ロベリア 「図々しいわね、呪うわよ...」』
・ 『シャロ 「貴方が教えてくれること」』
・ 『みら 「あおー、ぼくの着替え知らない?」 あお 「!?」』: このSS
26 名前パラガスト下級戦士:2022/03/13 19:34:56 ID:1Zbw/MNbjX
毎度楽しみに読ませて頂いております。まさか、今回はタイトルからいきなり驚かせてくるとは…
…そういえば最近趣味のゲームにボクっ娘が新登場したからこっちの制作中のSSにちょびっとだけ出してみようかな…
27 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 21:38:59 ID:BbD2DjNuF.
>>26
作者です。パラガスト下級戦士様、いつもコメントありがとうございます! ぼくっ娘はいいぞ。
ご指摘のタイトルに関しては、着替えを探しているという日常感と、一人称が変わっているという非日常感を同時に表せたと自負しています。
私はSS執筆ではタイトルから発想を広げていくタイプなので、いつもタイトルにはそれなりにこだわっています。勿論、内容も自分が納得できる程度にはこだわりますよ。
まぁ... こんなことしてるから、タイトルと大まかな方向性しか決まっていないアイディアばかりが蓄積していくわけですが...。量的な意味でも、質的な意味でも到底書ききれない。思いつきを全部形にできる力が欲しい...。
28 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 21:42:57 ID:MXYaS2rHY7
幼少期のあおとナナも一人称ボク似合うかも
イヴちゃんは、ワシ?
30 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 22:33:19 ID:BbD2DjNuF.
>>28
作者です。コメントありがとうございます!
と て も わ か る
特にあおは、幼少期は短髪だったのもあり、もはや違和感皆無かもしれません。みらがずっとあおのことを男の子だと勘違いしてたのって、もしかしてそういう...?
一人称が「ワシ」のイヴちゃん先輩... 確かに似合いそうだけど、思い浮かべようとするとどうしても某作品のちびっ子二号さんで上書きされてしまいます。どことなく雰囲気も似てる気がする。私の気のせいですかね...?
29 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 22:03:11 ID:ERGSyVzMSs
「僕」でも「ボク」でもなく「ぼく」なのがみらっぽい感じ出てて好き
31 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 22:46:48 ID:BbD2DjNuF.
>>29
作者です! コメントさんきゅーデース!!
なんかこれもすっごいわかる (なお、原作ですずちゃんに唆された際の台詞では「僕」表記だった模様)
表記を平仮名にしているのは、物語執筆における自分の癖みたいなものでして、本来の一人称が「私」のキャラの多くを「わたし」で表記しているのと大体同じノリで使っています。でも... 平仮名の「ぼく」、かわいいでしょ??
思わぬ深読み (しかも解釈がとても素敵) に、作者ながら感心するばかりです。重ねて御礼申し上げます。
33 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/14 18:05:52 ID:zVg1lPcMMn
このみら……攻めだな!!!(謎確信)
お疲れさまでしt
>・ 『スズラン 「飯奢ってくれ」 ロベリア 「図々しいわね、呪うわよ...」』
貴 方 で し た か
34 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/14 19:06:23 ID:EZuXBpVwPU
相変わらず「書手」の異名を狩るだけあって素晴らしい内容でいらっしゃる……(誉め言葉)

もぐ管理人
2 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:02:04 ID:BbD2DjNuF.
あお (みらが何か変だよ! みらの一人称って “ぼく” じゃなくて “わたし” だったよね? わたしの記憶が正しければ、今日帰ってくるまでは確かにいつも通りだったはず)
あお (考えても疑問符ばかりが浮かぶだけ。どうしよう、おかしくなっちゃったとまでは言わないけど、みらに何かあったのかな)
あお (それにしたって、ピンポイントすぎない? 一人称だけいつもと違うって)
みら 『あったー! よかった。あお、ありがとねー』
あお 「あ、うん! 見つかったようでこっちも安心だよー!!」
あお (ほんと、一人称以外はいつも通りなんだけどなぁ)
3 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:04:04 ID:BbD2DjNuF.
----------
みら 「あおー。寂しいー。ぼくとおしゃべりしよー」
あお 「う、うん。そうだね」
あお (その一人称のせいで集中できるかわからないんだけど)
みら 「えへへー。あおー」 ギュッ
あお 「ひゃっ!?」ビクッ
みら 「あお、あったかい」
あお 「そ、そう? みらも結構あったかいよ」
みら 「そっかぁ。ぼくたちお揃いだね」 ニコッ
あお 「っ...!」 キュン
あお 「そ、それで、どんなお話する?」
みら 「あ、そうだった。ぼくとしたことがつい」
あお (落ち着かない)
4 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:06:01 ID:BbD2DjNuF.
みら 「うんとね... よし、決めた」
みら 「あお。ぼく、昨日不思議な夢を見たんだ。だからその話するね」
あお 「夢...? どんな内容だったの?」
みら 「うーん。はっきりと覚えてるわけじゃないんだけど、確かこんな感じだったかな」
みら 『ふぇぇぇ、あおぉ... どこぉぉ?』
みら 『ぼくを独りにしないでよぉ』
??? 『ままー』
みら 『ん? 小さな女の子が、お母さんを探してるみたい。今のぼくとそっくり』
みら 『せめて、ぼくにできる手助けをしよう。おうちのあるところとか、場所が分からなければ交番に連れて行ってあげるとか、それくらいのことしかできないかもしれないけど』
みら 『おーい、大丈夫? おうちの場所わかr... えっ』
イノ (幼児体型) 『!!』
みら 『い、イノ先輩...!? 一体これはどういう...』
イノ 『ままー!!』 ギュッ
みら 『えぇぇぇ!? ぼ、ぼく!? ぼくがママなの!?』
イノ 『? まま、どうしたんですか? ままは舞のままですよ?』 エンジェルスマイル
みら 『...っ!?』 キュン
5 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:08:03 ID:BbD2DjNuF.
みら (どうしよう。一切身に覚えがないはずなのに、まるでイノ先輩と一緒に暮らしてきたかのような感覚が勝手に...)
イノ 『まま... だいすき♪』 ニコッ
みら (もしかして、ぼくはイノ先輩... 舞のママだったのかも) ドキドキ
あお 『みらー!!』 タタタ
みら 『あ、あお! 良かった、独りぼっちにされたわけじゃなかったんだ』
あお 『ごめんね。ちょっと道案内してたら長引いちゃった』
みら 『ううん、全然大丈夫...』
イノ 『おかあさーん!!』
みら 『え? さっきは “まま” って...』
あお 『はいはい。どうしたの、舞? お母さん居なくて寂しかった?』 ギュッ
みら 『』
イノ 『おかあさん、高い高いしてくださーい!!』 キャッキャッ
あお 『しょうがないなぁ。ほーら、高い高ーい』 グイッ
イノ 『~~♪』
みら 『』
あお 「... ものすごい夢だね」
みら 「ぼくもそう思うよ」
6 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:10:02 ID:BbD2DjNuF.
あお 「わたしたち自然な流れで結婚してるし、その上娘までいるのは流石に闇が深すぎじゃない?」
みら 「しかも娘がイノ先輩という」
あお 「... みら。夢っていうのは欲望が何かしらの形となって現れやすい場だって、何処かで聞いたことがあるんだけど」
みら 「...はい」
あお 「もしかしてみら、イノ先輩のことをそういう目で見てたの...?」 ジトー
みら 「ち、違うよぉ!! そんなわけないじゃん!!」
みら (マスコットキャラみたいだなぁ、とは思ったことあるけど)
あお 「そっか」
あお (そして、夢の中でもみらの一人称はそのままなんだね...)
7 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:12:02 ID:BbD2DjNuF.
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みら 「あおは、最近面白い夢とか見た?」
あお 「うーん... あ、あれとかいいかも」
みら 「お、聞かせて聞かせて」
あお 「えっとね...」
あお 『すぅ、すぅ...』 zzz
??? 『...きて。あお、起きて!!』
あお 『むにゃ... だ、誰...?』
みら 『もう、わたしだってば。木ノ幡みらだよ』
あお 『あ、みら... おはよぉ』
みら 『...もう10時だよ。まさか、今日の予定忘れてないよね?』
あお (? 今日の大事な予定...。えーっと...)
あお 『...あっ!!』
8 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:14:01 ID:BbD2DjNuF.
みら 『今なら、急げば間に合うよ。準備手伝ってあげる』
あお 『あ、ありがと...』
みら 『でもさ。わたし、嬉しいよ。本当にこの日を迎えられるなんて』
あお 『わたしも。みらにはほんと感謝してる』
みら 『わ、わたしのことはいいから、あおはもっとシャキッとして! まさか当日まで自室に籠って作業してるなんて、思わなかったよ』
あお 『だって、夢中になっちゃって止められなかったんだもん』
みら 『ある意味ワーカホリックだね...。尤も、それに関してはわたしも同じようなものだから、あんまり強くは言えないけど』
あお 『わたしたち、やっぱり似た者同士だよね』
みら 『そうだね。だからこそ、今日があるんだ』
あお 『感慨深いね』
みら 『ほぉら、手が止まってる!! さっさと支度っ!!』 ヌガシヌガシ
あお 『あ、ちょっとみら、そこは自分で脱ぐからぁ!!』 アワアワ
みら 『... よし。これでいいかな』
あお 『結局、殆どみらにやってもらっちゃった...』
みら 『じゃああお、行こっか』
あお 『うん』
9 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:16:01 ID:BbD2DjNuF.
ガチャ
パシャパシャパシャパシャ
みら 『皆様、お集まりいただきありがとうございます』
あお 『先日論文で報告させていただいた通り、この度、わたくし真中あお、及び木ノ幡みらの率いる研究チームが、アステロイドベルトにおいて新たな小惑星を発見いたしました』
みら『新たに発見しました小惑星につきましては、スミソニアン天体物理観測所の小惑星センターに『あお』という名で命名申請を行い、滞りなく承認される予定であります』
みら 『...私事にはなりますが、小惑星に研究チームのリーダーである真中の名を冠する運びとなったのは、わたしと真中... あおとが、幼い頃に交わした約束が切っ掛けでした』
あお (みら...)
みら 『あお、今日わたしがこの場にいられるのは、あおのおかげだよ。あおと一緒だったから、見つけられたんだ。あおの星を』
あお 『み、みら... 今、記者会見中』
みら 『あお、わたし... あおと出逢えてよかったぁ... うぇぇぇん』 ギュゥゥゥ
あお 『ひぃぃん!?』 ビクッッ
記者 (イヴちゃん先輩) 『... お前たち、あの頃から変わらないな...』
あお 「...みたいな夢」
みら 「あおの見た夢、素敵だね」
10 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:18:02 ID:BbD2DjNuF.
あお 「駄洒落のつもりはないけど、わたしたちの持ってる『夢』が叶ったって内容だもんね。わたし、目が覚めてから暫く放心状態だったよ」
みら 「案外、ぼくたちの行き着きうるひとつの未来の形だったのかもしれないね」
あお 「あの世界での先輩たちの様子とか知りたくなっちゃうな」
みら 「確かに。イヴ先輩は科学系ジャーナリストとして出てきてたけど、桜先輩やモンロー先輩、イノ先輩とかも当然いるはずだもん。それに、ナナちゃんとかチカちゃん、すずちゃんにお姉ちゃん、ともりんにマッキーに...」
あお 「ちょ、多い多い」
みら 「あはは、ごめんごめん」
あお 「まぁ、気持ちはすっごくわかるけどね。折角出逢えた人たちだもの、いつも、いつでも、いつまでも、元気でいてほしいよね」
みら 「謎の三段活用」
みら 「でもその通りだよ! それでさ、たまに皆で集まって思い出話に花を咲かせる... とか良くない!?」
あお 「心に描いた未来予想図は無限大だね」
みら 「きっと叶うよ。思ったとおりに」
11 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:20:02 ID:BbD2DjNuF.
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みら 「それでね~、桜先輩がぼくのこといっぱい褒めてくれたんだ~。でもそのせいで、チカちゃんがやきもち焼いちゃって...」
あお (...)
みら 「ぼくと桜先輩とナナちゃんの三人で必死に説得して、やっとチカちゃん元通りになったんだよね。いやー、なかなかハードな夢だった」
あお 「そ、そうなんだ...。チカちゃんって物静かだから、ちょっと珍しい反応に思えるよ」
みら 「でしょでしょ? 後はね、星咲高校にともりんとマッキーが転校してきて、地学部に入部してくれた夢も見たよ。夢の中とはいえ、久しぶりにお話できて楽しかったぁ」
あお (駄目だ。どう誤魔化しても落ち着かない。これ以上流すことは不可能だよ...)
あお (もう我慢ならないっ!! 訊いちゃおう)
みら 「それからね...」
あお 「あ... あのさ、みら」
みら 「? どしたの? ぼくの顔に何かついてる?」
あお 「そ、そうじゃなくて」
12 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:22:03 ID:BbD2DjNuF.
あお 「みら、急に一人称が “わたし” から “ぼく” に変わった気がするんだけど... 何かあったの?」
あお (訊いちゃった。ついに訊いちゃったよ。さぁ、どんな答えが...)
みら 「? ぼくの一人称?」
あお 「うん...」
みら 「...あはは。そううまくはいかないか。やっぱりわたしの今日の態度、変って思った?」
あお 「え、あ、ううん! そんなことないよ!!」
あお (ちょっと変だと思っちゃったことは、絶対内緒にしなきゃ)
13 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:24:02 ID:BbD2DjNuF.
みら 「わたし、あおに振り向いてほしくてさ」
あお (...ん?)
みら 「最近、あおがわたしのことあんまり構ってくれなくなった気がして... あっ、別にあおを責めてるわけじゃないからね」
あお (??)
みら 「それで、そのことをすずちゃんに相談したら、プチイメチェンで気を引くことをアドバイスされて」
あお (成程、すずさんか)
みら 「わたし、色々考えたんだけど何も思い付かなくて。そしたら、すずちゃんが」
すず 『前にあおが風邪引いたときのこと、憶えてる?』
みら 『あー、あのときね。すずちゃんに騙されて変なこと言わされた』
すず 『そう!! それをもう一度活かすべきだとわたしは思う!!』
みら 『... どゆこと?』
14 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:26:03 ID:BbD2DjNuF.
すず 『みら、あのときわたしが言わせた台詞、言ってみて?』
みら 『え? えーと確か...』
みら 『君はぼくの太陽... 早く元気な姿を見せて、ぼくの心を照らしてほしい』 キリッ
すず 『あっ///』 キュンッ
みら 『...って、ハズカシー!!』 プルプル
すず 『ふ、不束者ですが...///』
みら 『すずちゃん...?』
すず 『はっ!? ご、ごめんねみら。わたし、変なこと言っちゃったかも。気にしないで!!』
みら 『わ、わかった...』
15 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:28:01 ID:BbD2DjNuF.
すず 『兎に角っ!! 今みたいな感じで、普段とは違うみらを見せつけてアピールするの!! 一人称が違うだけでも結構印象違うと思うよ!!』
すず 『名付けて、『ぼくっ娘みらちゃん大作戦』っ!!』 バァァァァン
みら 『は、はぁ...』
みら 「...って経緯があって、一人称を変えて過ごしてたの」
あお 「そっか。今日のみらが妙に構ってちゃんだった裏には、そういう流れがあったんだ」
みら 「そ、そうなの...///」 モジモジ
あお (かわいい)
みら 「ごめんね、あお。わたし、ちょっとめんどくさいかな」 シュン
あお (かわいい)
みら 「お、お願い、わたしのこと嫌いにならないで...? あおに嫌われちゃったら、わたしどうしたらいいか...」 ウルウル
あお 「ふぇっ!? お、落ち着いてっ!! わたし、そんなことしないからぁ!!」
16 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:30:02 ID:BbD2DjNuF.
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みら 「ぐすん... ごめん、取り乱しちゃって」
あお 「全然大丈夫。みらが落ち着いたようで良かった」
みら 「わたし、前のめりになりすぎてたね。うまくいくって思い込んで、そのまま突っ走ってた」
あお 「...まぁ、唐突感が否めなかったことは、否定しないけど」
みら 「まさかここまで不発だとは思わなかったなぁ」
あお 「...」
みら 「次はもう少し自然な感じで... あぁ、でもやりすぎると意外性がないし...」 ブツブツ
あお 「み、みら」 ギュッ
みら 「ふぁぁぁ!? な、なになに!?」 モジモジ
17 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:32:01 ID:BbD2DjNuF.
あお 「さっきも言ったけど、わたしはみらのこと、絶対嫌いになんかならないよ。いつでも大切に思ってるし、返しきれないくらい感謝もしてる」
みら 「あお...」
あお 「一人称の件だって、落ち着かなくてつい訊いちゃったのは確かだし、最初はびっくりもしたけど... け、結構いいと思うよ。かっこいいし、かわいい」
みら (ど、どうしよう! わたし、なんか褒められてる!? そんな真剣な顔で言われると照れちゃうよ...///)
あお 「ただ、わたしはみらが自分らしくいてくれるのが一番嬉しいの。だから、安心して。わたしはずっと、みらの味方だよ」 ギューッ
みら 「... うん。あお、ありがとう」 ギューッ
18 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:34:00 ID:BbD2DjNuF.
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あお 「ところで、ずっと気になってたんだけど」
みら 「? 何?」
あお 「わたし、そんなにみらのこと放置してたかな? ごめん、正直自分ではそんなつもり全然なかったから」
みら 「え゛」
あお 「そ、そんなに衝撃だったの!?」
みら 「... あー、でも冷静になって振り返ってみたら、あおが前より色んな人と話すようになったから、相対的にわたしと話す時間が減っただけか。それって喜ばしいことなんだよね」
あお 「... みらだけとお話するようにした方が、いい...?」
みら 「ちちち違うって!! そんな重い意味で言ったわけじゃないからっ!!」 アワアワアワ
19 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:36:05 ID:BbD2DjNuF.
みら 「むしろ、反省してる。あおの友達がどんどん増えていくことに、『おめでとう』って言うべきだった。それこそ、前のめりだったんだ」
あお 「そういうことだったら、わたしも反省しなくちゃ。みらの気持ちにちゃんと気付いてあげられなかったわたしを、これから改める」
みら 「そ、そんな... 悪いのはわたしなのに」
あお 「ううん、わたしの方が悪かった」
みら 「わたしだよ!!」
あお 「わたしだって!!」
みらあお 「うー...」
みらあお 「...」
みらあお 「...あははははっ!!」
20 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:38:02 ID:BbD2DjNuF.
みら 「わたしたち、ほんと似た者同士だね」
あお 「そうだね、そっくりだ」
みら 「結局、お互い思い違いしてたのが原因だったわけだし、これで解決だよね」
あお 「異議なし」
みら 「...でも、そうだね...」 グイッ
あお 「みら...?」
みら 「たまにはぼくっ娘なわたしも、いいかもね」 ニコッ
あお 「!?」 ビクッ
みら 「あお。ぼくと、ずぅっと仲良くしてね」
あお 「ぁ、ぁぅぅ...///」 プシュー
21 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:40:02 ID:BbD2DjNuF.
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[翌日 ・ 星咲高校地学部部室]
みら 「さぁて、今日もおしまーい!!」
あお 「そっか、もうそんな時間だったんだ」
ナナ 「今日は結構疲れましたね」
チカ 「でもその分、達成感も大きいです」
イノ 「この調子で、明日以降も頑張りましょう!」
みら 「あーおっ。わたしと一緒に帰ろ」
あお 「あっ、うん。ちょっと待っててね」
22 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:42:01 ID:BbD2DjNuF.
チカ 「ナナちゃん、わたしたちも帰りましょうか」
ナナ 「そうだね。あっ、そうだ。わたし、今日はどこか外食行こうと思ってるんだけど、チカも一緒にどう?」
チカ 「はい、是非とも。それで、どこに行くのか決まってますか?」
ナナ 「あー... ううん、まだなんにも」
チカ 「そうしたら、ジオマンシーで決めましょう。いくつか候補を挙げてください」 ガサゴソ
ナナ 「えっ、ジオマンシーってそんなことも占えるの? もう無敵だね...」
イノ 「あはは、あんまり長引かないようにしてくださいね...」
23 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:44:02 ID:BbD2DjNuF.
あお 「... よし、準備できた。みら、もう大丈夫だよ」
みら 「おっけー。それじゃ、ぼくたちはお先に失礼しまーす」 ペコリ
あお 「っ!? お、お疲れ様...でした...///」 ペコリ
タタタ...
イノ、ナナ、チカ 「お疲れ様でしたー」
イノ、ナナ、チカ 「...」
イノ、ナナ、チカ 「ん??」
みら 「今月出す予定のKiraKira、だいぶ形にはなってきたと思うけど、まだ手直ししたい部分がいくつかあってさ」
あお 「...」
みら 「まだ最終稿の提出まで多少時間があるから、ぼくはもう少し頑張ろうと思うんだけど、あおはどう思う?」
あお 「...」
みら 「...あお...?」
あお 「...やっぱり落ち着かなーいっ!!」
--fin--
24 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:45:59 ID:BbD2DjNuF.
[あとがき]
はい、ということで終わりです。このところ花粉症の症状がつらいです...。
今回の話は割と以前から構想しており、やっと完成したことでいつも以上に達成感を憶えております。アイディアリストを確認したら、昨年12月に投稿したクレアちゃんのSSより前に発案していたみたいです。それにしては文が短いな...。
半ばぼくっ娘と関係ない内容になってしまいましたが、その辺はご愛嬌。どうしてもみらとあおの未来のお話を書いてみたかったんです。こういう妄想ができる点は偏に二次創作の強みです。勿論、キャラに対する愛とリスペクトは欠かしません。
因みに、研究者ルートにしたのは作者の趣味です。こういう進路が何一つ違和感ない恋アスの皆様は、なかなかの強キャラだと思います。
それと、完全に余談ですが、ぼくっ娘好きが高じて最近『あんハピ♪』の狭山椿ちゃんが推しになりました。悔しいことに原作もアニメもまだ履修できていませんがね...。やっぱりきらファンは偉大ですよ。
最後になりますが、ここまで読んでくださった方に心から感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
25 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 14:48:05 ID:BbD2DjNuF.
[これまで書いたSSリスト (順次追加) ]
・ 『あお 「くじら座の変光星の女の子」』
・ 『変な生き物 「遂に誰からも本名で呼ばれなくなった」』
・ 『クレア 「わたしは鍵の管理人」』
・ 『クロ 「この丘から見える星空は」』
・ 『きらら 「ツンツーンください!!!!!!!!」 サンストーン 「いきなりでけぇ声あげんなよ うるせぇよ」』
・ 『みさ「みらがかわいすぎて生きるのがつらい」』
・ 『シャミ子 「杏里ちゃん、一緒に帰ろ?」』
・ 『千矢 「風邪を引いた夜のお話」』
・ 『スズラン 「飯奢ってくれ」 ロベリア 「図々しいわね、呪うわよ...」』
・ 『シャロ 「貴方が教えてくれること」』
・ 『みら 「あおー、ぼくの着替え知らない?」 あお 「!?」』: このSS
26 名前パラガスト下級戦士:2022/03/13 19:34:56 ID:1Zbw/MNbjX
毎度楽しみに読ませて頂いております。まさか、今回はタイトルからいきなり驚かせてくるとは…
…そういえば最近趣味のゲームにボクっ娘が新登場したからこっちの制作中のSSにちょびっとだけ出してみようかな…
27 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 21:38:59 ID:BbD2DjNuF.
>>26
作者です。パラガスト下級戦士様、いつもコメントありがとうございます! ぼくっ娘はいいぞ。
ご指摘のタイトルに関しては、着替えを探しているという日常感と、一人称が変わっているという非日常感を同時に表せたと自負しています。
私はSS執筆ではタイトルから発想を広げていくタイプなので、いつもタイトルにはそれなりにこだわっています。勿論、内容も自分が納得できる程度にはこだわりますよ。
まぁ... こんなことしてるから、タイトルと大まかな方向性しか決まっていないアイディアばかりが蓄積していくわけですが...。量的な意味でも、質的な意味でも到底書ききれない。思いつきを全部形にできる力が欲しい...。
28 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 21:42:57 ID:MXYaS2rHY7
幼少期のあおとナナも一人称ボク似合うかも
イヴちゃんは、ワシ?
30 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 22:33:19 ID:BbD2DjNuF.
>>28
作者です。コメントありがとうございます!
と て も わ か る
特にあおは、幼少期は短髪だったのもあり、もはや違和感皆無かもしれません。みらがずっとあおのことを男の子だと勘違いしてたのって、もしかしてそういう...?
一人称が「ワシ」のイヴちゃん先輩... 確かに似合いそうだけど、思い浮かべようとするとどうしても某作品のちびっ子二号さんで上書きされてしまいます。どことなく雰囲気も似てる気がする。私の気のせいですかね...?
29 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 22:03:11 ID:ERGSyVzMSs
「僕」でも「ボク」でもなく「ぼく」なのがみらっぽい感じ出てて好き
31 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/13 22:46:48 ID:BbD2DjNuF.
>>29
作者です! コメントさんきゅーデース!!
なんかこれもすっごいわかる (なお、原作ですずちゃんに唆された際の台詞では「僕」表記だった模様)
表記を平仮名にしているのは、物語執筆における自分の癖みたいなものでして、本来の一人称が「私」のキャラの多くを「わたし」で表記しているのと大体同じノリで使っています。でも... 平仮名の「ぼく」、かわいいでしょ??
思わぬ深読み (しかも解釈がとても素敵) に、作者ながら感心するばかりです。重ねて御礼申し上げます。
33 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/14 18:05:52 ID:zVg1lPcMMn
このみら……攻めだな!!!(謎確信)
お疲れさまでしt
>・ 『スズラン 「飯奢ってくれ」 ロベリア 「図々しいわね、呪うわよ...」』
貴 方 で し た か
34 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/14 19:06:23 ID:EZuXBpVwPU
相変わらず「書手」の異名を狩るだけあって素晴らしい内容でいらっしゃる……(誉め言葉)
すずちゃんの仕業だった(笑)
発想力がやば!と思ったら 書手さん() ぼくっ娘好きだったみたい~、好きから広がる世界良きです!!
彼女たちなら あんな未来も夢じゃない!!投稿ありがとデース!!
椿ちゃんもいいですよね!アニメではあまり表立って出ないので、触れるなら漫画がオススメかも~、きらファン最高!!

もぐ管理人
コメント
コメント一覧 (1)
... 果たして私ごときが「書手」などと名乗ってよいのだろうか...?
それはさておき、皆様に楽しんでいただけたようで、こちらとしても非常に嬉しく思っております。
皆様からいただけるレスポンスが、ぼくを突き動かすクリエになっていくんだぁ...♪
na_seiji
が
しました