
1 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:46:52 ID:ZzN4I0hFZt
〜ラビットハウス〜
シャロ「こんにちは」
リゼ「チノ、注文取ってきたぞ」
チノ「ありがとうございます。リゼさん」
シャロ「……って、あら?」
千夜「今日のラビットハウスさんは忙しそうね」
ココア「シャロちゃん、千夜ちゃん、いらっしゃいませ! 今日はお客さんが多いんだー。注文決まったら呼んでね!」
千夜「シャロちゃんの言っていた通り、ラビットハウスさんは変わり始めているのね。うちも負けてられないわ!」
シャロ「……そうよね。甘兎だって変わっていくわよね。甘兎だけじゃない、この街の色んな物が」
千夜「……街が変わっていくのは不安?」
シャロ「ううん、リゼ先輩に教えてもらったから。でも、不意打ちは怖いなってちょっと思っただけよ」
千夜「街を離れている間にってことね?」
シャロ「そういうこと。この街を出て、いつの日か帰ってきて。その時ここはどうなってるんだろう」
千夜「分からない変化は怖いわね。私だってそう。未来、そして何千年後、この街はどうなっているのかと思うと! 甘兎は生き残ってるわよね!?)
シャロ「不老不死でもない限り無用な心配だと思うけど」
引用元:https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3748&ukey=0
2 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:48:24 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「って、先のことを言ってると鬼が笑うわね」
千夜「憤怒の鬼が笑ってくれるのなら、私は嬉しいのだけど」
シャロ「私が鬼って言いたいわけね?」
千夜「あら、笑ってくれないの? 諺通りに来年の話をしたほうが良いのかしら」
シャロ「何年経っても、あんたは私をからかうことをやめないんでしょうね」
千夜「何十年後も変わらない関係ね」
シャロ「一生続けるつもり? ある意味安心したわ。……皮肉じゃないわよ?」
千夜「ええ、わかってる。でも、ラースちゃんが笑ってくれないわね」
シャロ「ラース言うな」
千夜「そうだ! あれなら楽しい話になるはずだわ。最近ね、ココアちゃんと一緒に考えてるのよ」
シャロ「何をよ」
千夜「怪盗ラパンの正体がシャロちゃんな並行世界♪」
シャロ「……意味がわからない」
3 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:49:52 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「あんた何言ってんの?」
千夜「何って、怪盗ラパンの正体がシャロちゃんな並行世界よ」
シャロ「意味がわからない。何をどうしたらそんな考えになるわけ?」
千夜「だって、やっぱりラパンってどこかシャロちゃんと似てるでしょ?」
シャロ「でしょって言われてもわからないんだけど」
千夜「ほら、ラパンもシャロちゃんも美人で可憐で努力家で……」
シャロ「はあ!?」
千夜「あと、瞳と髪の色もそっくりよ。それから……、髪色と、髪色と……。髪色とか」
シャロ「……髪色以外にないわけ?」
千夜「それでね、ココアちゃんと一緒にあれやこれやと妄想するととっても楽しいのよ!シャロちゃんが大活躍!」
シャロ「あとどれくらいツッコミが必要なのかしら」
千夜「というわけで、今日のおすすめの1話は……。シャロちゃん版怪盗ラパン第107話、心のプレシャスショータイム事件!」
シャロ「いったい何話妄想してるのよ!」
4 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:51:04 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『三日月が眠る夜の2時』
シャロ『あなたの大切なものを』
シャロ『頂戴します 届い「って、オープニングはいらなーい!」
千夜「こういうのは形から入るのが大事だと思うの」
シャロ「いいから話を進めなさい!」
5 名前シャロ「ていうかラパンラパ~ンの方じゃないの?」千夜「こっちの曲のほうがシャロちゃんに似合うと思って」:2022/03/29 23:52:28 ID:ZzN4I0hFZt
千夜「107話はみんなで遊園地に遊びに行くお話なの」
シャロ「遊園地って、旅行の時の?」
千夜「ええ、きっとあの遊園地にすごく似ているの。並行世界だもの、こっちと似たことが起きてると思って」
シャロ「なるほど、そういうことね」
千夜「あの時のように、思いっきり遊んで思い出づくりをするのよ。でも、ショーの時にね──」
6 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:53:56 ID:ZzN4I0hFZt
千夜『シャロちゃん、その猫耳本当に可愛いわね』
シャロ『隣にうさ耳もいるし丁度いいのよ』
千夜『……あのラパンがこんな可愛らしい格好をしているなんて驚きだわ♪』
シャロ『あーはいはい』
千夜『あら、釣れないわね』
シャロ『せっかくみんなで遊びに来てるんだもの。怪盗業のことは忘れましょ』
千夜『……ごめんなさいシャロちゃん。野暮だったわね』
シャロ『別にいいわよ。私だって忘れきれてるわけじゃないし。例えば……あそこ』
千夜『あれは……。まあ、大きなスクリーン!園内のあちこちが映ってるみたいね』
シャロ『多分パレードの中継にでも使うんでしょうけど、……あれだけカメラがあると逃げる時に面倒とか考えちゃうのよね』
千夜『なるほど、それはちょっとわかるかも』
ココア『千夜ちゃん、シャロちゃん!ヒーローショー始まっちゃうよー!』
シャロ『わかったわ。今行く!』
千夜『きっとショーを見ているうちに忘れられるわ』
シャロ『ふふっ、そうね』
ココア『あっ、来た来た。今から怪盗ラパンショーだって!流石ラパン、怪盗でもヒーローショーで主役になれちゃう!』
シャロ『』
千夜『』
7 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:55:41 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「──なんでこの千夜は"私がラパン"って知ってるのよ」
千夜「私、シャロちゃんの協力者なの。そして甘兎グループの女社長」
千夜「ちなみにリゼちゃんは警部でチマメ隊が探偵団、ココアちゃんは偽ラパン」
シャロ「警部と探偵は良いとして偽ラパンって何。ていうかあんた、イナバはどうしたの?」
千夜「うふふっ、兼役なの!」
シャロ「役割詰め込み過ぎじゃない?」
千夜「欲張ってみたわ。ココアちゃんに似て私も強欲になっちゃったのかしら?」
シャロ「……強欲じゃなくて傲慢の方なんじゃないかしら。女社長とか言ってる時点で」
千夜「私は慎ましやかよ?」
シャロ「だから認めなさいってば。それで、結局ショーで何が起こるのよ」
千夜「この後は──」
8 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:57:40 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『まさかラパンとはね。なんでよ!』
千夜『ラパンは大人気だもの』
シャロ『普通実在する人物でショーする!?』
チノ『青山さんが怪盗ラパンで本出してますからね』
リゼ『本人が正体を明かす気がない以上、怒られる心配もなく好き放題できるよな』
シャロ『うぐっ、それはそうなんですけど』
ココア『シャロちゃん、ラパン嫌い?』
シャロ『そうじゃなくて……』
千夜『あの人よりもシャロちゃんの方がラパンをうまく演じられるってことよね?』
シャロ『そういうことよ!……え?』
チノ『なるほど、確かにシャロさんのラパンは上手でした。久しぶりに見たいです』
千夜『チノちゃんからのリクエストよ。やってあげて』
シャロ『あんた今私を嵌めたわね!? まあいいけど』
シャロ『…怪盗ラパン 華麗に参上!』
シャロ(……私が私でいられる、この時間、この瞬間。幸せな日々。大切にしなくちゃ)
司会『はい そこのやる気満々のお嬢さん!ステージへ上がってラパンと共闘しよう!』
シャロ『』
9 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:59:22 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『ロイヤルストレートフラーッシュ!』
オオーッ
ラパン役『お嬢さん、とっても上手ね!きっと、あなたもラパンできるわ!』
シャロ『あはは、ありがとうございます』
シャロ(ラパンできるって何。ていうかもうやってる)
シャロ(……私はいつまでここにいれば?そろそろ客席に戻りた
『泥棒だー!捕まえろ!』
シャロ『ひゃい!?私今日は何も盗んでな……って、え?』
シャロ(そこに現れたのは)
『動かないで!動くと誰かが怪我するかもね!』
シャロ(目元を隠すマスク、つまりドミノマスクをしていて。なにか盗んだらしきものを持っている人。確かにどこからどう見ても)
シャロ『……泥棒だー!?』
シャロ(なんでこんなときに! ていうか、ドミノマスクってつけても顔はバレそうじゃない?)
シャロ(……私もラパンの時はしてるわね、ドミノマスク)
10 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:00:47 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『どうしてこんなことに。あんなマスクしてる泥棒なんてラパンとイナバだけで十分でしょ……』
シャロ(って、待った!ひょっとしてこれも台本のうちなんじゃない?そうよ、あんなマスクをつける泥棒なんて私たち以外にいるわけないじゃない)
泥棒『これさえあれば、私の思い出は……』
シャロ(泥棒が盗んだらしきもの、魔法少女のステッキみたいよね。結構昔のものかしら。あれってヒーローショーの小道具じゃ)
シャロ(うん、きっと間違いない。じゃあここでラパン役の人が颯爽と……)チラッ
ラパン役『なにあれ、こんなの台本にないはず……』
シャロ『そんな気がしたわよ!』
シャロ(ってことはあの泥棒をなんとかしないと不味いわよね。私が取り押さえる?)
シャロ(その前に司会とラパン役の人の安全確保を。このままじゃ人質同然だわ。それに観客。狙われたら最悪よ!)
シャロ(ならここは……。千夜、S・O・S!警部の手も借りたい状況よ!)
千夜『っ! リゼちゃん。あれ、本当に泥棒よ!』
リゼ『なんだって? ……わかった、行ってくる』
泥棒『あなた達、そのまま止まりなさい。私が逃げ切るまでね』
リゼ『止まるのはお前だよ。警察だ!』
シャロ『リゼ先輩!』
リゼ『状況は全くわからんが、とりあえず何かしら話を聞かせてもらおうか!』
シャロ『聞き方ふわっふわですね!』
11 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:02:23 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ(よしっ。リゼ先輩……いや、警部が観客との間にいる以上、泥棒はあっちに行けない。これで観客は安全ね)
シャロ(ていうかこれ、ショーはどうなっちゃうの?)
泥棒『ぐぬぬ』
司会『……そうだっ、みんな!警部さんを応援しましょう!』
ガンバレー ガンバエー
シャロ(乗っかった!? でも、下手にパニックが起きるよりはマシね。それじゃ)
シャロ『ラパンさん、下がっててください。泥棒は先輩と私でなんとか……っ!』
泥棒『こうなったらあなたを!』
シャロ(ちょうど私を狙ってきたわね、好都合!このまま取り押さえて……)
ラパン役『危ない!』ザッ
シャロ『えっ!?』
泥棒『なっ!』ガンッ
ラパン役『いたっ!』
シャロ『ラパンさん!?』
シャロ(ラパンさんが、私を庇った……!?)
12 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:03:07 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「──ラパン役の人、私を庇ってくれるの!?」
千夜「ええ、そうよ。良い人よね」
シャロ「中身ラパンなんだから庇わなくたって良いのに。この人はどうなっちゃうのよ」
千夜「大怪我ってわけじゃないから安心して。それじゃあ続きを……」
ココア「やっぱり! その話シャロちゃんラパンでしょ?」
千夜「ええ、そうよ。あっ、ごめんなさいココアちゃん! この話をするのに夢中で注文をまだ決めてないの」
ココア「大丈夫! むしろみんな続きを聞きたがってるから!」
千夜「みんなって……あら?」
「お姉ちゃん、ラパンはどうなっちゃうの?」
「私も続き聞きたい!」
リゼ「私も気になるな。ていうかなんで私が警部なんだ?」
チノ「私も聞きたいです。ここで終わると泥棒さんが逃げてしまいます」
シャロ「いつの間にギャラリーが!?」
千夜「うふふっ、じゃあみんなで続きをしましょうか。ラパン役の人がシャロちゃんを庇って──」
13 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:04:27 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ(どうしよう!?ラパン役の人が怪我を……!)
泥棒『今のうちにとんずら!』
シャロ『あっ、待ちなさい!』
ラパン役『うぅ……』
シャロ『っ! ラパンさん!』
泥棒『さらば!』
リゼ『シャロ! あいつは私が追うから、そのラパンを頼む!』
シャロ『わ、わかりました!』
シャロ(とりあえずこの人を舞台裏に……)
ザワザワ
シャロ(ってそうよ、まだショーの途中ってことになってるじゃない! じっ、じゃあ……)
シャロ『ラパンさん、一時撤退しましょう!』
ラパン役『え?』
シャロ『しっかり準備して、あいつからお宝を取り戻すんです!ほらっ』
ラパン役『えっ、ええ』
シャロ(あー、もう!どうしてこうなったのよ!)
14 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:06:31 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ(とりあえず舞台裏にはたどり着いたけど……)
\園内に不審な人物が……/
\お客様は安全なところへ……/
シャロ(鳴り響くアナウンス。きっと、リゼ警部や警備の人が捕まえてくれる。でも、もうショーどころじゃないわね)
シャロ(それどころか、今日はここで遊ぶこともできないんじゃ……。ううん、それよりも)
シャロ『怪我は大丈夫ですか?』
ラパン役『ええ、大丈夫。大怪我ってわけじゃないわ』
シャロ『あの、さっきは助けてくれてありがとうございました』
ラパン役『礼なんていらないわ。だって私はラパン、みんなのヒーローなんだもの』
シャロ『ヒーロー……』
ラパン役『……もう、今日のショーは駄目なのかな。みんな楽しみにしてくれたのに』
ラパン役『今日はお嬢さんのような素敵な方も来てくれて、最高のショーにできると思ってたけど、駄目、よね』
シャロ『……あのっ!ラパンの衣装って、もう一着ありませんか?』
15 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:08:04 ID:ZzN4I0hFZt
ラパン役『ええ、予備の衣装が一着あるわ』
シャロ『なるほど、予備の衣装……。あった。これ、ちょっとお借りします!』
ラパン役『えっ!?』
シャロ(このままじゃショーが、みんなの思い出が台無しになる)
シャロ(私たちがこの格好で集まるのはこれが最後。他のお客さんだって、今日という日が大切な思い出の一つになるはず。だから)
シャロ『ヒーローショーの続きをするんです! さっき言ったじゃないですか。しっかり準備して、あいつからお宝を取り戻すって』
ラパン役『続きって、ショーはもう』
シャロ『みんなの楽しい時間というお宝が盗まれた。だったら、それさえも盗んで取り返すのが怪盗ラパン! そうですよね?』
ラパン役『!』
シャロ『千夜に電話してっと……。もしもし千夜?』
千夜《どうしたのシャロちゃん?》
シャロ『千夜、さっきのスクリーンよ! あれにみんなの注目を集めて!』
千夜《……ついに世間に正体を明かすのかしら?》
シャロ『馬鹿言わないの。あくまでショーよ』
千夜《ふふっ、わかってるわ!》
16 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:09:25 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ《それじゃよろしくね》
千夜『任せて! このショー。必ず成功させましょうね』ピッ
司会『どうしよう……』
ザワザワ
司会『軽くパニックになってる……。どうやって収めれば』
千夜『司会のお姉さん!』
司会『はい!?』
千夜『会場のみんなの注目をあのスクリーンに集めてください。ショーの続きが始まります』
司会『ショーの、続き?』
千夜『ええ。きっとパニックも収まりますよ。騙されたと思って♪』
司会『……わかりました』
司会『皆さん、そちらのスクリーンにご注目!ショーの続きの始まりです!』
司会『スクリーンに一体何が……。えっ、うそ!?』
千夜『ほら、ショーが始まったでしょう?』
シャロ《……》ダッ
司会『……ラパンだ!』
ワァー!
17 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:10:21 ID:ZzN4I0hFZt
ナンダアレ!スッゲー!
リゼ『今度は何の騒ぎだ!?』
リゼ『……あれは確か、園内を写すスクリーンだよな。さっきあったのと同じで。何が映って……』
シャロ《……》ダッ
リゼ『嘘だろ、こんなところにラパン!?』
リゼ『いや、服の細部が違う? あれはヒーローショーの衣装だ。じゃああのラパンは……まさかシャロか!?』
18 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:11:32 ID:ZzN4I0hFZt
チノ「──ついにシャロさんラパンの出番ですね」
マヤ「ラパン役の人の敵を取ってくれ!」
メグ「ラパン役の人は生きてるよ?」
シャロ「マメちゃん!? いつの間に」
メグ「実は最初から聞いてたんだけど、盛り上がってたから入りづらくて」
マヤ「それよりさ! 千夜、ココア、私たちにはなんか出番ないの? リゼと千夜だけズルい!」
ココア「もちろんあるよ! 目立たないけど」
マヤ「目立たないのかよ!」
千夜「目立たないけれど、チマメ隊は裏で大活躍するのよ?」
メグ「大活躍!?」
ココア「うん!私とチマメ隊は、裏で大事な仕事をしてたんだよ」
千夜「それじゃあ、4人の活躍のところから始めましょうか。この後シャロちゃんは私と通信機で──」
19 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:12:37 ID:ZzN4I0hFZt
千夜《シャロちゃん、聞こえる?》
シャロ『ええ、聞こえるわ。どこに行けばすぐに捕まえられる?』
千夜《ココアちゃんとチマメ隊が、偽ラパンと探偵団になって泥棒の逃げ場を1ヶ所先回りしに行ったわ》
シャロ『チマメ隊はともかくココアは相変わらずね』
千夜《それで、リゼちゃんが後ろから追いかけていて、残された逃げ場はひとつだけになっているはずよ》
シャロ『そこに向かえば良いってわけね、わかったわ。ありがとう千夜』
千夜《お安い御用よ!》
千夜《そうだ、スクリーンからココアちゃんたちの勇姿が見れるはずよ》
シャロ『勇姿って……。まあ、場所を確認するついでに見ておくわ。それじゃ』ピッ
シャロ『さて、ココアとチマメ隊はどこに……あれね』
ココア《お姉ちゃんについてこーい!》
チマメ《おっ《《おおー!》》》
シャロ『……おかしいわね。スクリーン越しじゃ声は聞こえないはずなのに、ココアが何を言ってるかがわかる』
20 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:13:19 ID:ZzN4I0hFZt
泥棒『ふぅ、後少しで逃げ切れそう』
『それはどうかしら?』
泥棒『!?』
『昼は苛烈に特売を』
『夜は華麗にお宝を』
『狙った獲物は逃さない』
シャロ『怪盗ラパン、参上!』
シャロ『私に盗めないものはないのよ!』
21 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:14:11 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『そして今日は大サービス!お昼からお宝を盗んであげる!』
泥棒『そう簡単は渡せない。このステッキは私にとって……』
シャロ『簡単よ。ほらっ!』シュバッ
泥棒『えっ!?』
シャロ『これでこのステッキは私のものよ。後はあなたを捕まえれば全部解決。この騒動も終わりね』
泥棒『こんなとこで捕まるわけには!』
シャロ『いいえ、絶対に捕まえる。みんなの大切な時間を返しなさい!』ダッ
泥棒『くぅ!』
シャロ『とりゃぁ!』ガシッ
泥棒『しまっ……』
シャロ(そうだ、せっかく魔法のステッキなんてあるんだから……)クルッ
シャロ『これでおしまい!カフェラテ・カフェモカ・カプチーノ!』ドカッ
泥棒『あいたっ!』
シャロ『なーんてね。捕まえたわよ!』
22 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:15:54 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ(にしても、泥棒が泥棒を捕まえるなんて。一体何の冗談かしら?)
リゼ『ここか泥棒! 観念しろ! ……って、なんだ。先を越されたのか』
シャロ(……私も泥棒だけど、観念する気はないのであしからず)
シャロ『ずいぶん遅かったわね、リゼ警部?』
リゼ『っ! その感じ、まさか本物!?』
シャロ『へ? 本物? 何の話を……』
リゼ『……』
シャロ『……あ』
シャロ(……私の馬鹿ー! 今の私はラパンじゃなくてシャロでしょ!?)
リゼ『ん? どうしたラパン』
シャロ(誤魔化さないと)
シャロ『冗談ですよ、リゼ先輩』
リゼ『なんだ、ちゃんとシャロじゃないか。びっくりしたぞ』
シャロ『私、そんなにラパンに似てるんですか?』
リゼ『ああ、似てるな。ていうかこうして改めて見るとそっくりだ。本当に別人か?』
シャロ『もちろん別人ですよ』
シャロ(もちろん本人ですよ)
23 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:16:54 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『ところで泥棒さん、一体どうしてこんなことしたのよ。このステッキ、そんな凄いものには見えないけれど』
泥棒『……変わらないものが欲しかった』
リゼ『変わらないもの?』
泥棒『そのステッキは、昔私が見た魔法少女のショーで使っていたステッキ。あの日のことは、私にとって大切な思い出』
泥棒『だけどもう過去のもの。ステッキだけじゃなくて、この場所だっていつかは必ず』
泥棒『どんなものも、私の知らないうちにどんどん変わってしまって、過去のものになる』
泥棒『……だから欲しかった。ずっと変わらない物が。だから盗んだ』
泥棒『それさえあれば、あの日のことは嘘じゃないって言えるから。だから!』
リゼ『なかなかぶっ飛んだ理由が来たな。ま、詳しくは署で聞くから……』
シャロ『……違う」
リゼ『シャロ?』
シャロ「変わらないものなら、ここに……。ココロの中にあるじゃない!』
シャロ『知らないうちに変わってしまっても、大切な思い出が過去のものになっても」
シャロ「私や、みんなの中にある大切なものは絶対に変わらない。私はそう信じてる」
24 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:19:29 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「そうでしょっ! 千夜、ココア!」
「……」
シャロ「はっ! 私、今何を口走って……」
シャロ「ごめん、急に変なことを言
ココア「シャロちゃん!!!」ギュー
シャロ「ちょっとココア!? なんでいきなり抱きついて
千夜「シャロちゃん!!!」ギュー
シャロ「なんで千夜まで抱きついてくるのよ!」
ココア「だって! 今のシャロちゃんの言葉、私たちの考えた台詞と同じだったんだもん!」
シャロ「はえ?」
千夜「私たちの気持ちは同じだったのね!」
シャロ「うぇ!? ……あっ、当たり前じゃない!私たち友達なんだから!」
ココア「うん、そうだよね!」ギュー
千夜「ええ、ずっとずっと友達よ!」ギュー
シャロ「あーもう! さっさと続きを聞かせなさい!」
千夜「ふふっ、そうね。さて、無事に泥棒を退治したシャロちゃんは会場に戻ってくるの──」
25 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:20:40 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『お待たせしたわね!』
ザワザワ
シャロ『怪盗ラパン、参上! 泥棒さんに盗まれたステッキ、ここにあるわよ!』
司会『ありがとうラパン! 大活躍してくれたラパンに、大きな拍手を!』
パチパチ
シャロ『会場のみんなのハート、確かに頂いたわ。私に 盗めないものはないのよ!』
ワァー!
シャロ『ごきげんよう、みなさん!』トウッ
26 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:21:36 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ(舞台裏に戻ってっと。うまく行ったわね、ラパンを演じるラパン。……言葉だけだと意味がわからない)
シャロ(っと、そうだ。これを返さないと)
シャロ『ラパンさん。衣装とステッキ、お返ししますね。ショー、多分なんとかなりました!』
ラパン役『歓声がここまで聞こえてきたわ。ありがとう、お嬢さん』
シャロ『はい! それじゃ、私はこれで……』
ラパン役『待って!』
シャロ『……どうしました?』
ラパン役『こんなことができるなんて……。あなたは、まさか『シーッ♪』
シャロ『怪盗の正体は秘密なの。仮面に隠れた本当の私のことは言わないで』
シャロ『それに、ここではあなたがラパンでしょ?』
ラパン役『!』
シャロ『これからもショーを頑張ってね、素敵な怪盗さん。ごきげんよう!』
ラパン役『……ええ、ごきげんよう!』
27 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:23:02 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『……なんてカッコつけたけど』
シャロ(バレてる! ラパンさんにラパンなことバレてる!)
シャロ(あ~~~!!! これリゼ先輩にもバレてるじゃないの!?)
シャロ(本当にバレてたら……、私と先輩の関係は変わっちゃうのかな。どうしよう!?)
シャロ(……でも)
千夜『お疲れ様、シャロちゃん。ショーは大成功ね!』
シャロ『おつかれ。手伝ってくれてありがとね』
ココア『シャロちゃん! ショーも無事に終わったし、遊ぼう! まだまだ遊び足りないよ!!!』
シャロ『あんなことがあったのに元気ねー、あんたは』
マヤ『私も遊び足りない! 他のとこにも行こうぜ!』
メグ『もっと遊びたいな。せっかくの遊園地だもん』
チノ『回れてない場所だっていっぱいありますよ』
ココア『ふっふっふっ! 妹たちの心を理解しているのは、やはり姉であるこの私!』
シャロ『そうね、チマメ隊の三人の言う通りだわ』
ココア『スルー!?』
シャロ(この時間を守れたんだもの。後悔なんてできるわけない)
シャロ(それに)
リゼ『シャロ、行くぞ! 今日はまだまだこれからだ!』
シャロ(たとえ関係が変わってしまったとしても)
シャロ『はい、リゼ先輩!』
シャロ(そう、私は信じてる。変わらないものはここにあるから)
28 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:24:35 ID:ZzN4I0hFZt
千夜「というお話なの」
シャロ「……思ってたより10倍くらい長い話だったわね」
「お姉ちゃんの話、楽しかった!」
「やっぱりラパンすごい!」
千夜「可愛いギャラリーには好評ね。私もみんなのハートを盗めたかしら?」
エル「盗まれたよ、千夜さん!」
ナツメ「エル! まずは挨拶しなきゃ こんにちは、千夜さんシャロさん。私の感想もエルと同じです」
フユ「みんな、楽しんで聞いてたと思う」
シャロ「ナエちゃんにフユちゃん!? いつの間に……ってまさか」
ナツメ「実は最初から……」
エル「入りづらくて」
フユ「盛り上がってたから」
シャロ「やっぱり!」
ユラ「シャロちゃんの熱演よかったよぉ」
シャロ「ユラ先輩まで!?」
ユラ「私も入りづらくって~」
シャロ「ユラ先輩が言うと胡散臭く感じるのは何故なんでしょうね」
29 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:28:03 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「それにしても、変わる、変わらない……。107話だったかしら?千夜、この話を選んだのって」
千夜「シャロちゃんに寂しい思いはさせない。そうでしょ?」
シャロ「それ、って……。あー、なんだか今宵は月が綺麗になりそうね」
千夜「ふふっ、とびっきりの月を注文済みよ」
シャロ「月を注文って何。……ってそうよ、注文! 私たちまだ何も頼んで」
ココア「やっぱりシャロちゃんラパンは妄想が捗るよね!」
千夜「まだまだ話し足りないわね」
リゼ「んー、私がラパンの正体を知るかどうかは少し気になるな」
マヤ「チマメ探偵団の出番が足りない!」
メグ「シャロさん以外のみんなはどんな活躍をするのかな?」
チノ「偽ラパンが常に何かしらしでかしているのは想像がつきますね」
ココア「いいねいいね! もっと盛り上がってきたよ!」
千夜「じゃあこのまま108話を……」
シャロ「千夜、あんたはそろそろ注文決めなさい!」
千夜「あら、忘れてたわ」
ココア「そういえば注文受けてなかった!」
シャロ「あんたたちねぇ」
シャロ「……こんなやり取りも、いつまで経っても変わらないのかしらね」
おわり
30 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:29:54 ID:ZzN4I0hFZt
ここまで読んでくれてありがとう
本編のラパンもAFラパンも見てみたいなーと思う今日この頃
ちなみに>>1は遊園地なんて全然行ってないのでほんと園内全部映すスクリーンが実在するかなんて知りません。多分ないと思います
32 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:55:08 ID:EdyYTE0GuO
>>31
薄味な感想になってしまいますが、話のテンポが良くて面白かったです!
話の長さもすごく読みやすい感じでしたし
劇中の中の語りって所できんモザの12話を思い出しました
ところでmacOSだと~が書き込めないのですね、驚きです
今まで試したブラウザは何ですか?
自分はmacOSのPCを持っていないのあまり力になれないと思いますが……
33 名前パラガスト下級戦士:2022/03/30 01:40:09 ID:Skvs4vz6Dj
突っ込みどころやら熱い展開やらと色々とあって楽しく読ませていただきました!
役と本人の絡みもまた熱いです
36 名前ペンギノン (あおちゃんSSの人):2022/03/30 06:16:47 ID:9u/f0OQtwJ
すき!!!!!!!!!!
ということで、拝読いたしました。思っていたよりよっぽどオールスターズ大集結でびっくり。
最初は千夜ちゃんがシャロちゃんに話し始めたお話が、いつの間にかみんなに響いて人気になっている図、想像するだけで笑顔になれます。
ラパンとシャロちゃんの、ひいては千夜ちゃんとココアちゃんの気持ちがシンクロしたところで、「あぁ、思いが通じ合うっていいなぁ」と感慨深さに包まれました。ちょっとずつ変わっていく日常の中でも変わらない友情を大切に思う気持ちが、いつまでも仲良しな関係性を形作り、発展させているのでしょうか。
総じて、読んでいて幸せになる作品でした。作者様、誠にありがとうございます!!

もぐ管理人
2 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:48:24 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「って、先のことを言ってると鬼が笑うわね」
千夜「憤怒の鬼が笑ってくれるのなら、私は嬉しいのだけど」
シャロ「私が鬼って言いたいわけね?」
千夜「あら、笑ってくれないの? 諺通りに来年の話をしたほうが良いのかしら」
シャロ「何年経っても、あんたは私をからかうことをやめないんでしょうね」
千夜「何十年後も変わらない関係ね」
シャロ「一生続けるつもり? ある意味安心したわ。……皮肉じゃないわよ?」
千夜「ええ、わかってる。でも、ラースちゃんが笑ってくれないわね」
シャロ「ラース言うな」
千夜「そうだ! あれなら楽しい話になるはずだわ。最近ね、ココアちゃんと一緒に考えてるのよ」
シャロ「何をよ」
千夜「怪盗ラパンの正体がシャロちゃんな並行世界♪」
シャロ「……意味がわからない」
3 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:49:52 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「あんた何言ってんの?」
千夜「何って、怪盗ラパンの正体がシャロちゃんな並行世界よ」
シャロ「意味がわからない。何をどうしたらそんな考えになるわけ?」
千夜「だって、やっぱりラパンってどこかシャロちゃんと似てるでしょ?」
シャロ「でしょって言われてもわからないんだけど」
千夜「ほら、ラパンもシャロちゃんも美人で可憐で努力家で……」
シャロ「はあ!?」
千夜「あと、瞳と髪の色もそっくりよ。それから……、髪色と、髪色と……。髪色とか」
シャロ「……髪色以外にないわけ?」
千夜「それでね、ココアちゃんと一緒にあれやこれやと妄想するととっても楽しいのよ!シャロちゃんが大活躍!」
シャロ「あとどれくらいツッコミが必要なのかしら」
千夜「というわけで、今日のおすすめの1話は……。シャロちゃん版怪盗ラパン第107話、心のプレシャスショータイム事件!」
シャロ「いったい何話妄想してるのよ!」
4 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:51:04 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『三日月が眠る夜の2時』
シャロ『あなたの大切なものを』
シャロ『頂戴します 届い「って、オープニングはいらなーい!」
千夜「こういうのは形から入るのが大事だと思うの」
シャロ「いいから話を進めなさい!」
5 名前シャロ「ていうかラパンラパ~ンの方じゃないの?」千夜「こっちの曲のほうがシャロちゃんに似合うと思って」:2022/03/29 23:52:28 ID:ZzN4I0hFZt
千夜「107話はみんなで遊園地に遊びに行くお話なの」
シャロ「遊園地って、旅行の時の?」
千夜「ええ、きっとあの遊園地にすごく似ているの。並行世界だもの、こっちと似たことが起きてると思って」
シャロ「なるほど、そういうことね」
千夜「あの時のように、思いっきり遊んで思い出づくりをするのよ。でも、ショーの時にね──」
6 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:53:56 ID:ZzN4I0hFZt
千夜『シャロちゃん、その猫耳本当に可愛いわね』
シャロ『隣にうさ耳もいるし丁度いいのよ』
千夜『……あのラパンがこんな可愛らしい格好をしているなんて驚きだわ♪』
シャロ『あーはいはい』
千夜『あら、釣れないわね』
シャロ『せっかくみんなで遊びに来てるんだもの。怪盗業のことは忘れましょ』
千夜『……ごめんなさいシャロちゃん。野暮だったわね』
シャロ『別にいいわよ。私だって忘れきれてるわけじゃないし。例えば……あそこ』
千夜『あれは……。まあ、大きなスクリーン!園内のあちこちが映ってるみたいね』
シャロ『多分パレードの中継にでも使うんでしょうけど、……あれだけカメラがあると逃げる時に面倒とか考えちゃうのよね』
千夜『なるほど、それはちょっとわかるかも』
ココア『千夜ちゃん、シャロちゃん!ヒーローショー始まっちゃうよー!』
シャロ『わかったわ。今行く!』
千夜『きっとショーを見ているうちに忘れられるわ』
シャロ『ふふっ、そうね』
ココア『あっ、来た来た。今から怪盗ラパンショーだって!流石ラパン、怪盗でもヒーローショーで主役になれちゃう!』
シャロ『』
千夜『』
7 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:55:41 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「──なんでこの千夜は"私がラパン"って知ってるのよ」
千夜「私、シャロちゃんの協力者なの。そして甘兎グループの女社長」
千夜「ちなみにリゼちゃんは警部でチマメ隊が探偵団、ココアちゃんは偽ラパン」
シャロ「警部と探偵は良いとして偽ラパンって何。ていうかあんた、イナバはどうしたの?」
千夜「うふふっ、兼役なの!」
シャロ「役割詰め込み過ぎじゃない?」
千夜「欲張ってみたわ。ココアちゃんに似て私も強欲になっちゃったのかしら?」
シャロ「……強欲じゃなくて傲慢の方なんじゃないかしら。女社長とか言ってる時点で」
千夜「私は慎ましやかよ?」
シャロ「だから認めなさいってば。それで、結局ショーで何が起こるのよ」
千夜「この後は──」
8 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:57:40 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『まさかラパンとはね。なんでよ!』
千夜『ラパンは大人気だもの』
シャロ『普通実在する人物でショーする!?』
チノ『青山さんが怪盗ラパンで本出してますからね』
リゼ『本人が正体を明かす気がない以上、怒られる心配もなく好き放題できるよな』
シャロ『うぐっ、それはそうなんですけど』
ココア『シャロちゃん、ラパン嫌い?』
シャロ『そうじゃなくて……』
千夜『あの人よりもシャロちゃんの方がラパンをうまく演じられるってことよね?』
シャロ『そういうことよ!……え?』
チノ『なるほど、確かにシャロさんのラパンは上手でした。久しぶりに見たいです』
千夜『チノちゃんからのリクエストよ。やってあげて』
シャロ『あんた今私を嵌めたわね!? まあいいけど』
シャロ『…怪盗ラパン 華麗に参上!』
シャロ(……私が私でいられる、この時間、この瞬間。幸せな日々。大切にしなくちゃ)
司会『はい そこのやる気満々のお嬢さん!ステージへ上がってラパンと共闘しよう!』
シャロ『』
9 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/29 23:59:22 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『ロイヤルストレートフラーッシュ!』
オオーッ
ラパン役『お嬢さん、とっても上手ね!きっと、あなたもラパンできるわ!』
シャロ『あはは、ありがとうございます』
シャロ(ラパンできるって何。ていうかもうやってる)
シャロ(……私はいつまでここにいれば?そろそろ客席に戻りた
『泥棒だー!捕まえろ!』
シャロ『ひゃい!?私今日は何も盗んでな……って、え?』
シャロ(そこに現れたのは)
『動かないで!動くと誰かが怪我するかもね!』
シャロ(目元を隠すマスク、つまりドミノマスクをしていて。なにか盗んだらしきものを持っている人。確かにどこからどう見ても)
シャロ『……泥棒だー!?』
シャロ(なんでこんなときに! ていうか、ドミノマスクってつけても顔はバレそうじゃない?)
シャロ(……私もラパンの時はしてるわね、ドミノマスク)
10 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:00:47 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『どうしてこんなことに。あんなマスクしてる泥棒なんてラパンとイナバだけで十分でしょ……』
シャロ(って、待った!ひょっとしてこれも台本のうちなんじゃない?そうよ、あんなマスクをつける泥棒なんて私たち以外にいるわけないじゃない)
泥棒『これさえあれば、私の思い出は……』
シャロ(泥棒が盗んだらしきもの、魔法少女のステッキみたいよね。結構昔のものかしら。あれってヒーローショーの小道具じゃ)
シャロ(うん、きっと間違いない。じゃあここでラパン役の人が颯爽と……)チラッ
ラパン役『なにあれ、こんなの台本にないはず……』
シャロ『そんな気がしたわよ!』
シャロ(ってことはあの泥棒をなんとかしないと不味いわよね。私が取り押さえる?)
シャロ(その前に司会とラパン役の人の安全確保を。このままじゃ人質同然だわ。それに観客。狙われたら最悪よ!)
シャロ(ならここは……。千夜、S・O・S!警部の手も借りたい状況よ!)
千夜『っ! リゼちゃん。あれ、本当に泥棒よ!』
リゼ『なんだって? ……わかった、行ってくる』
泥棒『あなた達、そのまま止まりなさい。私が逃げ切るまでね』
リゼ『止まるのはお前だよ。警察だ!』
シャロ『リゼ先輩!』
リゼ『状況は全くわからんが、とりあえず何かしら話を聞かせてもらおうか!』
シャロ『聞き方ふわっふわですね!』
11 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:02:23 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ(よしっ。リゼ先輩……いや、警部が観客との間にいる以上、泥棒はあっちに行けない。これで観客は安全ね)
シャロ(ていうかこれ、ショーはどうなっちゃうの?)
泥棒『ぐぬぬ』
司会『……そうだっ、みんな!警部さんを応援しましょう!』
ガンバレー ガンバエー
シャロ(乗っかった!? でも、下手にパニックが起きるよりはマシね。それじゃ)
シャロ『ラパンさん、下がっててください。泥棒は先輩と私でなんとか……っ!』
泥棒『こうなったらあなたを!』
シャロ(ちょうど私を狙ってきたわね、好都合!このまま取り押さえて……)
ラパン役『危ない!』ザッ
シャロ『えっ!?』
泥棒『なっ!』ガンッ
ラパン役『いたっ!』
シャロ『ラパンさん!?』
シャロ(ラパンさんが、私を庇った……!?)
12 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:03:07 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「──ラパン役の人、私を庇ってくれるの!?」
千夜「ええ、そうよ。良い人よね」
シャロ「中身ラパンなんだから庇わなくたって良いのに。この人はどうなっちゃうのよ」
千夜「大怪我ってわけじゃないから安心して。それじゃあ続きを……」
ココア「やっぱり! その話シャロちゃんラパンでしょ?」
千夜「ええ、そうよ。あっ、ごめんなさいココアちゃん! この話をするのに夢中で注文をまだ決めてないの」
ココア「大丈夫! むしろみんな続きを聞きたがってるから!」
千夜「みんなって……あら?」
「お姉ちゃん、ラパンはどうなっちゃうの?」
「私も続き聞きたい!」
リゼ「私も気になるな。ていうかなんで私が警部なんだ?」
チノ「私も聞きたいです。ここで終わると泥棒さんが逃げてしまいます」
シャロ「いつの間にギャラリーが!?」
千夜「うふふっ、じゃあみんなで続きをしましょうか。ラパン役の人がシャロちゃんを庇って──」
13 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:04:27 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ(どうしよう!?ラパン役の人が怪我を……!)
泥棒『今のうちにとんずら!』
シャロ『あっ、待ちなさい!』
ラパン役『うぅ……』
シャロ『っ! ラパンさん!』
泥棒『さらば!』
リゼ『シャロ! あいつは私が追うから、そのラパンを頼む!』
シャロ『わ、わかりました!』
シャロ(とりあえずこの人を舞台裏に……)
ザワザワ
シャロ(ってそうよ、まだショーの途中ってことになってるじゃない! じっ、じゃあ……)
シャロ『ラパンさん、一時撤退しましょう!』
ラパン役『え?』
シャロ『しっかり準備して、あいつからお宝を取り戻すんです!ほらっ』
ラパン役『えっ、ええ』
シャロ(あー、もう!どうしてこうなったのよ!)
14 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:06:31 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ(とりあえず舞台裏にはたどり着いたけど……)
\園内に不審な人物が……/
\お客様は安全なところへ……/
シャロ(鳴り響くアナウンス。きっと、リゼ警部や警備の人が捕まえてくれる。でも、もうショーどころじゃないわね)
シャロ(それどころか、今日はここで遊ぶこともできないんじゃ……。ううん、それよりも)
シャロ『怪我は大丈夫ですか?』
ラパン役『ええ、大丈夫。大怪我ってわけじゃないわ』
シャロ『あの、さっきは助けてくれてありがとうございました』
ラパン役『礼なんていらないわ。だって私はラパン、みんなのヒーローなんだもの』
シャロ『ヒーロー……』
ラパン役『……もう、今日のショーは駄目なのかな。みんな楽しみにしてくれたのに』
ラパン役『今日はお嬢さんのような素敵な方も来てくれて、最高のショーにできると思ってたけど、駄目、よね』
シャロ『……あのっ!ラパンの衣装って、もう一着ありませんか?』
15 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:08:04 ID:ZzN4I0hFZt
ラパン役『ええ、予備の衣装が一着あるわ』
シャロ『なるほど、予備の衣装……。あった。これ、ちょっとお借りします!』
ラパン役『えっ!?』
シャロ(このままじゃショーが、みんなの思い出が台無しになる)
シャロ(私たちがこの格好で集まるのはこれが最後。他のお客さんだって、今日という日が大切な思い出の一つになるはず。だから)
シャロ『ヒーローショーの続きをするんです! さっき言ったじゃないですか。しっかり準備して、あいつからお宝を取り戻すって』
ラパン役『続きって、ショーはもう』
シャロ『みんなの楽しい時間というお宝が盗まれた。だったら、それさえも盗んで取り返すのが怪盗ラパン! そうですよね?』
ラパン役『!』
シャロ『千夜に電話してっと……。もしもし千夜?』
千夜《どうしたのシャロちゃん?》
シャロ『千夜、さっきのスクリーンよ! あれにみんなの注目を集めて!』
千夜《……ついに世間に正体を明かすのかしら?》
シャロ『馬鹿言わないの。あくまでショーよ』
千夜《ふふっ、わかってるわ!》
16 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:09:25 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ《それじゃよろしくね》
千夜『任せて! このショー。必ず成功させましょうね』ピッ
司会『どうしよう……』
ザワザワ
司会『軽くパニックになってる……。どうやって収めれば』
千夜『司会のお姉さん!』
司会『はい!?』
千夜『会場のみんなの注目をあのスクリーンに集めてください。ショーの続きが始まります』
司会『ショーの、続き?』
千夜『ええ。きっとパニックも収まりますよ。騙されたと思って♪』
司会『……わかりました』
司会『皆さん、そちらのスクリーンにご注目!ショーの続きの始まりです!』
司会『スクリーンに一体何が……。えっ、うそ!?』
千夜『ほら、ショーが始まったでしょう?』
シャロ《……》ダッ
司会『……ラパンだ!』
ワァー!
17 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:10:21 ID:ZzN4I0hFZt
ナンダアレ!スッゲー!
リゼ『今度は何の騒ぎだ!?』
リゼ『……あれは確か、園内を写すスクリーンだよな。さっきあったのと同じで。何が映って……』
シャロ《……》ダッ
リゼ『嘘だろ、こんなところにラパン!?』
リゼ『いや、服の細部が違う? あれはヒーローショーの衣装だ。じゃああのラパンは……まさかシャロか!?』
18 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:11:32 ID:ZzN4I0hFZt
チノ「──ついにシャロさんラパンの出番ですね」
マヤ「ラパン役の人の敵を取ってくれ!」
メグ「ラパン役の人は生きてるよ?」
シャロ「マメちゃん!? いつの間に」
メグ「実は最初から聞いてたんだけど、盛り上がってたから入りづらくて」
マヤ「それよりさ! 千夜、ココア、私たちにはなんか出番ないの? リゼと千夜だけズルい!」
ココア「もちろんあるよ! 目立たないけど」
マヤ「目立たないのかよ!」
千夜「目立たないけれど、チマメ隊は裏で大活躍するのよ?」
メグ「大活躍!?」
ココア「うん!私とチマメ隊は、裏で大事な仕事をしてたんだよ」
千夜「それじゃあ、4人の活躍のところから始めましょうか。この後シャロちゃんは私と通信機で──」
19 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:12:37 ID:ZzN4I0hFZt
千夜《シャロちゃん、聞こえる?》
シャロ『ええ、聞こえるわ。どこに行けばすぐに捕まえられる?』
千夜《ココアちゃんとチマメ隊が、偽ラパンと探偵団になって泥棒の逃げ場を1ヶ所先回りしに行ったわ》
シャロ『チマメ隊はともかくココアは相変わらずね』
千夜《それで、リゼちゃんが後ろから追いかけていて、残された逃げ場はひとつだけになっているはずよ》
シャロ『そこに向かえば良いってわけね、わかったわ。ありがとう千夜』
千夜《お安い御用よ!》
千夜《そうだ、スクリーンからココアちゃんたちの勇姿が見れるはずよ》
シャロ『勇姿って……。まあ、場所を確認するついでに見ておくわ。それじゃ』ピッ
シャロ『さて、ココアとチマメ隊はどこに……あれね』
ココア《お姉ちゃんについてこーい!》
チマメ《おっ《《おおー!》》》
シャロ『……おかしいわね。スクリーン越しじゃ声は聞こえないはずなのに、ココアが何を言ってるかがわかる』
20 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:13:19 ID:ZzN4I0hFZt
泥棒『ふぅ、後少しで逃げ切れそう』
『それはどうかしら?』
泥棒『!?』
『昼は苛烈に特売を』
『夜は華麗にお宝を』
『狙った獲物は逃さない』
シャロ『怪盗ラパン、参上!』
シャロ『私に盗めないものはないのよ!』
21 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:14:11 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『そして今日は大サービス!お昼からお宝を盗んであげる!』
泥棒『そう簡単は渡せない。このステッキは私にとって……』
シャロ『簡単よ。ほらっ!』シュバッ
泥棒『えっ!?』
シャロ『これでこのステッキは私のものよ。後はあなたを捕まえれば全部解決。この騒動も終わりね』
泥棒『こんなとこで捕まるわけには!』
シャロ『いいえ、絶対に捕まえる。みんなの大切な時間を返しなさい!』ダッ
泥棒『くぅ!』
シャロ『とりゃぁ!』ガシッ
泥棒『しまっ……』
シャロ(そうだ、せっかく魔法のステッキなんてあるんだから……)クルッ
シャロ『これでおしまい!カフェラテ・カフェモカ・カプチーノ!』ドカッ
泥棒『あいたっ!』
シャロ『なーんてね。捕まえたわよ!』
22 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:15:54 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ(にしても、泥棒が泥棒を捕まえるなんて。一体何の冗談かしら?)
リゼ『ここか泥棒! 観念しろ! ……って、なんだ。先を越されたのか』
シャロ(……私も泥棒だけど、観念する気はないのであしからず)
シャロ『ずいぶん遅かったわね、リゼ警部?』
リゼ『っ! その感じ、まさか本物!?』
シャロ『へ? 本物? 何の話を……』
リゼ『……』
シャロ『……あ』
シャロ(……私の馬鹿ー! 今の私はラパンじゃなくてシャロでしょ!?)
リゼ『ん? どうしたラパン』
シャロ(誤魔化さないと)
シャロ『冗談ですよ、リゼ先輩』
リゼ『なんだ、ちゃんとシャロじゃないか。びっくりしたぞ』
シャロ『私、そんなにラパンに似てるんですか?』
リゼ『ああ、似てるな。ていうかこうして改めて見るとそっくりだ。本当に別人か?』
シャロ『もちろん別人ですよ』
シャロ(もちろん本人ですよ)
23 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:16:54 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『ところで泥棒さん、一体どうしてこんなことしたのよ。このステッキ、そんな凄いものには見えないけれど』
泥棒『……変わらないものが欲しかった』
リゼ『変わらないもの?』
泥棒『そのステッキは、昔私が見た魔法少女のショーで使っていたステッキ。あの日のことは、私にとって大切な思い出』
泥棒『だけどもう過去のもの。ステッキだけじゃなくて、この場所だっていつかは必ず』
泥棒『どんなものも、私の知らないうちにどんどん変わってしまって、過去のものになる』
泥棒『……だから欲しかった。ずっと変わらない物が。だから盗んだ』
泥棒『それさえあれば、あの日のことは嘘じゃないって言えるから。だから!』
リゼ『なかなかぶっ飛んだ理由が来たな。ま、詳しくは署で聞くから……』
シャロ『……違う」
リゼ『シャロ?』
シャロ「変わらないものなら、ここに……。ココロの中にあるじゃない!』
シャロ『知らないうちに変わってしまっても、大切な思い出が過去のものになっても」
シャロ「私や、みんなの中にある大切なものは絶対に変わらない。私はそう信じてる」
24 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:19:29 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「そうでしょっ! 千夜、ココア!」
「……」
シャロ「はっ! 私、今何を口走って……」
シャロ「ごめん、急に変なことを言
ココア「シャロちゃん!!!」ギュー
シャロ「ちょっとココア!? なんでいきなり抱きついて
千夜「シャロちゃん!!!」ギュー
シャロ「なんで千夜まで抱きついてくるのよ!」
ココア「だって! 今のシャロちゃんの言葉、私たちの考えた台詞と同じだったんだもん!」
シャロ「はえ?」
千夜「私たちの気持ちは同じだったのね!」
シャロ「うぇ!? ……あっ、当たり前じゃない!私たち友達なんだから!」
ココア「うん、そうだよね!」ギュー
千夜「ええ、ずっとずっと友達よ!」ギュー
シャロ「あーもう! さっさと続きを聞かせなさい!」
千夜「ふふっ、そうね。さて、無事に泥棒を退治したシャロちゃんは会場に戻ってくるの──」
25 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:20:40 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『お待たせしたわね!』
ザワザワ
シャロ『怪盗ラパン、参上! 泥棒さんに盗まれたステッキ、ここにあるわよ!』
司会『ありがとうラパン! 大活躍してくれたラパンに、大きな拍手を!』
パチパチ
シャロ『会場のみんなのハート、確かに頂いたわ。私に 盗めないものはないのよ!』
ワァー!
シャロ『ごきげんよう、みなさん!』トウッ
26 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:21:36 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ(舞台裏に戻ってっと。うまく行ったわね、ラパンを演じるラパン。……言葉だけだと意味がわからない)
シャロ(っと、そうだ。これを返さないと)
シャロ『ラパンさん。衣装とステッキ、お返ししますね。ショー、多分なんとかなりました!』
ラパン役『歓声がここまで聞こえてきたわ。ありがとう、お嬢さん』
シャロ『はい! それじゃ、私はこれで……』
ラパン役『待って!』
シャロ『……どうしました?』
ラパン役『こんなことができるなんて……。あなたは、まさか『シーッ♪』
シャロ『怪盗の正体は秘密なの。仮面に隠れた本当の私のことは言わないで』
シャロ『それに、ここではあなたがラパンでしょ?』
ラパン役『!』
シャロ『これからもショーを頑張ってね、素敵な怪盗さん。ごきげんよう!』
ラパン役『……ええ、ごきげんよう!』
27 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:23:02 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ『……なんてカッコつけたけど』
シャロ(バレてる! ラパンさんにラパンなことバレてる!)
シャロ(あ~~~!!! これリゼ先輩にもバレてるじゃないの!?)
シャロ(本当にバレてたら……、私と先輩の関係は変わっちゃうのかな。どうしよう!?)
シャロ(……でも)
千夜『お疲れ様、シャロちゃん。ショーは大成功ね!』
シャロ『おつかれ。手伝ってくれてありがとね』
ココア『シャロちゃん! ショーも無事に終わったし、遊ぼう! まだまだ遊び足りないよ!!!』
シャロ『あんなことがあったのに元気ねー、あんたは』
マヤ『私も遊び足りない! 他のとこにも行こうぜ!』
メグ『もっと遊びたいな。せっかくの遊園地だもん』
チノ『回れてない場所だっていっぱいありますよ』
ココア『ふっふっふっ! 妹たちの心を理解しているのは、やはり姉であるこの私!』
シャロ『そうね、チマメ隊の三人の言う通りだわ』
ココア『スルー!?』
シャロ(この時間を守れたんだもの。後悔なんてできるわけない)
シャロ(それに)
リゼ『シャロ、行くぞ! 今日はまだまだこれからだ!』
シャロ(たとえ関係が変わってしまったとしても)
シャロ『はい、リゼ先輩!』
シャロ(そう、私は信じてる。変わらないものはここにあるから)
28 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:24:35 ID:ZzN4I0hFZt
千夜「というお話なの」
シャロ「……思ってたより10倍くらい長い話だったわね」
「お姉ちゃんの話、楽しかった!」
「やっぱりラパンすごい!」
千夜「可愛いギャラリーには好評ね。私もみんなのハートを盗めたかしら?」
エル「盗まれたよ、千夜さん!」
ナツメ「エル! まずは挨拶しなきゃ こんにちは、千夜さんシャロさん。私の感想もエルと同じです」
フユ「みんな、楽しんで聞いてたと思う」
シャロ「ナエちゃんにフユちゃん!? いつの間に……ってまさか」
ナツメ「実は最初から……」
エル「入りづらくて」
フユ「盛り上がってたから」
シャロ「やっぱり!」
ユラ「シャロちゃんの熱演よかったよぉ」
シャロ「ユラ先輩まで!?」
ユラ「私も入りづらくって~」
シャロ「ユラ先輩が言うと胡散臭く感じるのは何故なんでしょうね」
29 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:28:03 ID:ZzN4I0hFZt
シャロ「それにしても、変わる、変わらない……。107話だったかしら?千夜、この話を選んだのって」
千夜「シャロちゃんに寂しい思いはさせない。そうでしょ?」
シャロ「それ、って……。あー、なんだか今宵は月が綺麗になりそうね」
千夜「ふふっ、とびっきりの月を注文済みよ」
シャロ「月を注文って何。……ってそうよ、注文! 私たちまだ何も頼んで」
ココア「やっぱりシャロちゃんラパンは妄想が捗るよね!」
千夜「まだまだ話し足りないわね」
リゼ「んー、私がラパンの正体を知るかどうかは少し気になるな」
マヤ「チマメ探偵団の出番が足りない!」
メグ「シャロさん以外のみんなはどんな活躍をするのかな?」
チノ「偽ラパンが常に何かしらしでかしているのは想像がつきますね」
ココア「いいねいいね! もっと盛り上がってきたよ!」
千夜「じゃあこのまま108話を……」
シャロ「千夜、あんたはそろそろ注文決めなさい!」
千夜「あら、忘れてたわ」
ココア「そういえば注文受けてなかった!」
シャロ「あんたたちねぇ」
シャロ「……こんなやり取りも、いつまで経っても変わらないのかしらね」
おわり
30 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:29:54 ID:ZzN4I0hFZt
ここまで読んでくれてありがとう
本編のラパンもAFラパンも見てみたいなーと思う今日この頃
ちなみに>>1は遊園地なんて全然行ってないのでほんと園内全部映すスクリーンが実在するかなんて知りません。多分ないと思います
32 名前きららBBSの名無しさん:2022/03/30 00:55:08 ID:EdyYTE0GuO
>>31
薄味な感想になってしまいますが、話のテンポが良くて面白かったです!
話の長さもすごく読みやすい感じでしたし
劇中の中の語りって所できんモザの12話を思い出しました
ところでmacOSだと~が書き込めないのですね、驚きです
今まで試したブラウザは何ですか?
自分はmacOSのPCを持っていないのあまり力になれないと思いますが……
33 名前パラガスト下級戦士:2022/03/30 01:40:09 ID:Skvs4vz6Dj
突っ込みどころやら熱い展開やらと色々とあって楽しく読ませていただきました!
役と本人の絡みもまた熱いです
36 名前ペンギノン (あおちゃんSSの人):2022/03/30 06:16:47 ID:9u/f0OQtwJ
すき!!!!!!!!!!
ということで、拝読いたしました。思っていたよりよっぽどオールスターズ大集結でびっくり。
最初は千夜ちゃんがシャロちゃんに話し始めたお話が、いつの間にかみんなに響いて人気になっている図、想像するだけで笑顔になれます。
ラパンとシャロちゃんの、ひいては千夜ちゃんとココアちゃんの気持ちがシンクロしたところで、「あぁ、思いが通じ合うっていいなぁ」と感慨深さに包まれました。ちょっとずつ変わっていく日常の中でも変わらない友情を大切に思う気持ちが、いつまでも仲良しな関係性を形作り、発展させているのでしょうか。
総じて、読んでいて幸せになる作品でした。作者様、誠にありがとうございます!!
投稿ありがとうございます!
アニメ未登場キャラも含めて、みんなが集まってくる感じがいいですね~!続きではチマメ探偵団たちも大活躍に違いない!
今年のAF企画はどんな世界観なのか!そういう意味でも旬で楽しませていただきました~!!

もぐ管理人
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